石川県を中心に甚大な被害をもたらした1月1日の令和6年能登半島地震。富山県内も6千を超す住宅損壊が確認されるなど、さまざまな被害があった。特に深刻だったのは、氷見市など県西部5市で発生した断水だ。大地震が引き起こすさまざまなトラブルの中でもライフラインのストップは特に影響が大きい。今回特に復旧が長引いた断水について、富山市上下水道局に平時に整えておくべき対策を聞いた。
今回の能登半島地震では県西部で一時は約1万9300戸で水道水の供給が止まり、氷見市の一部地域では完全復旧までに3週間かかった。断水中はポリタンクを手に並ぶ人の姿が多くの給水所で見られ、被害の深刻さを物語っていた。とはいえ、電気やガスがストップするのとは違い、水を保管しておくなど、水道ならばある程度、事前の対策が取れるようにも思う。
3リットル×3日分+α
富山市上下水道局はホームページで「ご家庭での災害対策」として水道水の保管方法を紹介している。これによると、人間が生きていくためには毎日3リットルの水が必要で、最低3日分を備蓄しておくよう勧めている。例えば4人家族であれば、1日につき12リットルが必要。3日分ならば36リットルを常に備えておかなければならないということだ。
同局経営企画課の寺井清規課長代理は「1日3リットルというのは飲料水に限った話。トイレ用や炊事用、洗濯用など、そのほかの生活用水も含めればもっと多くの水を備蓄しておいた方が良い」と話す。飲料水以外の生活用水の使用量は個人差や避難時の状況にもよるため、「一概に何リットル必要とは言いにくい」とは言うものの、多めに備蓄しておくことに越したことはない。例えば風呂の水などはすぐに流さず、ためておけば、いざという時にトイレ用などに使えそうだ。
では何十リットルもの大量の水をどのように備蓄するのが望ましいのか。ホームページでは洗浄した10リットル程度のポリ容器に空気が残らないよう水を満たし、冷暗所で保管するよう説明している。空気が入ると、細菌で汚染される恐れ