おにぎりってすごい。朝も、昼も、夜も、なんなら深夜も食べたくなる。お米と具、そして、のり。とろろ昆布だってあります。お米だけでも至高にして究極。そんなおにぎりが今盛り上がっている気がしませんか。専門店が開業したり、ユニークな具材のものが登場したり。ゼロニイ、おにぎりと出会い直します。(情報は取材時の内容です)

ヨッテカーレ城端(南砺市)

握らずに包み込む ふんわり無添加おむすび

 自然豊かな南砺市の桜ヶ池周辺にある、市の特産品とおむすびの店。安心して食べられるものを提供したいとの思いから、南砺市の特別栽培米を使った無添加のおむすびにこだわる。

手前から「いくら」(380円)、「白えびからあげ」(300円)、「きゃらぶき」(230円) 中まで具材たっぷり。南砺市の特別栽培米は隣接する直売所で購入できる。テイクアウトも可能

 メニュー表には20種類以上のおむすびがずらりと並ぶ。優しい味わいのイクラのしょうゆ漬けや富山湾でとれたシロエビのから揚げ、甘く塩辛いフキのつくだ煮「きゃらぶき」が入ったものなどさまざまだ。力を入れずに具材をふんわり包み込むように作っており、口に入れるとご飯の粒が舌の上でほどける。おむすびに合うように味付けした赤カブの漬物と一緒に頬張りたい。

「白えびかきあげそば」(720円) シロエビのだしつゆを使ったそばに、シロエビのかき揚げをのせた
従業員の岩田友正さん
 

食べ処 かさまや(富山市)

お米屋さんならではの厳選米

 店の入り口には新米の米袋が積まれ、「おむすび」の看板が掲げられている。明治末期創業の米穀店が手掛ける食堂。米は高温の乾燥機ではなく、冷風で時間をかけて乾燥させた県産コシヒカリを使う。「粒感が際立ってふっくらとしたお米です」と店主の笠間精一さんと妹の楠靖子さん。心を込めて丁寧に作られたおむすびに、ホッと心が和む。

「おむすび」(1個150円、麺類とセットの場合は120円) 手前から時計回りに「わかめチーズ」、「野沢菜うめ」、「しそひじき」。「わかめチーズ」はわかめご飯の塩味にチーズのこくがマッチ

 具材は全部で15種類。サケや梅などの定番から、「わかめチーズ」「ラー油きくらげ」といった変わり種まで多彩にそろえる。おむすびを包む素材も白とろろ、黒とろろ、のりの中から選択可能。お気に入りの組み合わせを見つけよう。

「鍋焼きうどん」(870円) かつおだしのうまみが効いた熱々のうどんは、肌寒い季節にぴったり
店主の笠間精一さん
 

NOROSHI farm(ノロシ ファーム、魚津市)

 無農薬・減農薬にこだわって育てた米のおいしさを伝えようと、農業法「NOROSHI FARM」が8月、直売所をオープンした。おにぎりを約10種類そろえ、テイクアウトで販売する。胚芽を残した富富富を使い、栄養価が高いのが自慢。粒立ちがよく、米本来の味が楽しめる。

左手前から時計回りに「茗荷」(220円)、「手作りゆかり」(170円)、「松倉の栗」(250円) 日替わりの2個セット(500円)には漬物(右)が付く

 「茗荷(みょうが)」や「松倉の栗」、「手作りゆかり」は、どれも地元食材を使用。中山間地で切り盛りする店長の稗苗史絵さんは「ここにしかないおにぎりをそろえています。自然の豊かさを感じてほしい」と話す。つやつやと光る、里山のごちそうを求めて、足を延ばしたい。

「豚しょうが焼おやき」(左)と「さといもおやき」(各350円) 上市産の玉ネギやサトイモを使う
店長の稗苗史絵さん
 

撮影:南部スタジオ