おにぎりってすごい。朝も、昼も、夜も、なんなら深夜も食べたくなる。お米と具、そして、のり。とろろ昆布だってあります。お米だけでも至高にして究極。そんなおにぎりが今盛り上がっている気がしませんか。専門店が開業したり、ユニークな具材のものが登場したり。ゼロニイ、おにぎりと出会い直します。(情報は取材時の内容です)

おにぎりの志鷹(立山町)

ふっくら炊き上げ 優しく握る

 富山地方鉄道立山駅近くにある、おにぎりの店。看板メニューのおにぎりは、梅と昆布の2個セットで販売している。立山町や富山市産の米をガス釜でふっくらと炊き上げ、手早く優しく握る。のりはすし店でも使われる品質の高いもので、風味がよく手につきにくい。店主の志鷹紀恵子さんは「登山や観光など外で味わう人が多いので、食べやすさも大切にしています」とほほ笑む。

「おにぎり(2個入り)」(380円) 注文のたびに握りたてを提供する。「形を整える程度に優しく握るのがポイント」と志鷹さん

 おにぎりをひと思いに頬張ると、米の粒立ちがよくほどけるような食感で、一粒一粒から甘みが感じられる。大ぶりだがふんわりと軽い食べ応え。山々を眺めながら味わえば、おいしさもひとしおだ。

「白えびコロッケ」(300円) 揚げたてサクサクの食感と、ぎっしり入ったシロエビの香ばしさが癖になる
店主の志鷹紀恵子さん(左)、娘の山下みゆきさん
 

山海野(さんかいや、富山市)

斬新で親しみやすい 無国籍料理のおにぎり

 世界各地の料理を食べて回ったオーナーの鷹取公介さんが、さまざまな国の料理を組み合わせた「無国籍料理」の店を開いた。看板メニューの「パスタ風混ぜそば」のほか、地域の人の要望に応えておにぎりを提供している。

手前から時計回りに「台湾風」、「イタリアン風」、「フレンチ風」(各200円) テイクアウト限定。写真は中の具材が見えている状態。定番の梅干しとシソ昆布(各120円)もある

 中でも注目なのが、無国籍料理を具にしたおにぎり。ルーローハンの具が入った「台湾風」、ペペロンチーノ仕立ての「イタリアン風」、バターの風味が癖になるエビとイカの「フレンチ風」といった個性豊かなメニューがそろう。昆布を入れて炊いたご飯はほどよい塩味で、具材のうまみを引き立てる。斬新ながら親しみやすい味わいだ。

「アサリとしめじの鰹だし仕立て(ジパング・スタイル)」(900円) パスタ風の混ぜそば。パスタによく用いられる「デュラムセモリナ粉」で作る中華麺はもっちりとした食感
オーナーの鷹取公介さん
 

撮影:南部スタジオ、さいとう写真事務所