小学生男子 王道の遊び
今から半世紀前の小学生の男子にとって王道の遊びはプラモデルでした。「作ったことがないという男子はいなかった」と断言できるほどです。現在還暦を迎えた私の人生初めてのプラモデルは小学校3年生の時に親戚の叔父さんに買ってもらった100円のジェット戦闘機のプラモデルでした。

隣町の庄川町(現砺波市)の中心地にある銭湯が母の実家ということもあり、1カ月に1回ほどの割合で遊びに行っていました。そんなある日に叔父が「プラモデルでも作ろうか?」と突然言ってくれ、喜び勇んで近所の駄菓子屋に連れて行ってもらったのです。土間のガラスケースの中に相当数が並んでいますが、靴を脱いで奥の畳の間に上げてもらうと、子ども心に無限にあるのではないかと思われる数のプラモデルがうずたかく積まれていました。自分で選んで良いので真剣です。何度も何度も見比べて吟味をして一番カッコいい戦闘機のプラモデルを買ってもらいました。
手に持って「キーン」
叔父さん自身も別のプラモデルを買っていて、早速親戚の家に戻って叔父さんと一緒に作り始めます。当時は爪切りさえあれば、あとは箱の中に入っているチューブ式の接着剤で作れました。とはいえ、接着剤が乾く前に指で触ってしまって白い糸が引いたり、操縦席の透明プラスチック製の窓の部品も接着剤がついた指紋で真っ白です。水転写シールも使うマークだけ切り取る事を知らずに、いきなりすべてのシールを水につけてしまい。プカプカと全てのマークが水に浮いていました。でも自分で作ったことが嬉しいのです。手に持って「キーン」とか言いながら走り回るお決まりのアレでした。

最初に手にした物で、その後の人生が変わる