ランドセルの色は。重い荷物は男性が持つべきか。男の子が髪を伸ばしたいと言ったら――。無意識の思い込み「アンコンシャスバイアス」に、遊びを通して気づいてもらおうと、富山いずみ高校の生徒たちが「すごろく」作りに取り組んでいる。12月10日に県庁で開かれた試作品の体験会では、参加者がゲームをしながら考え込む一幕も。女性が初めて首相になった時代に、高校生が訴える意識の変革とは。
探究授業で取り組む
アンコンシャスバイアス(Unconscious bias)とは、私たちが持つ「無意識の思い込み」を指す。環境や経験を通して形成されるもので誰にでもあるという。性別や年齢、学歴などに対して、気付かぬまま偏った見方をしてしまうことがあるため、自ら気づくことが大切だ。
▽アンコンシャスバイアスの一例
・この仕事はきめ細やかさが求められるので女性に向いている
・宿泊研修は、家庭責任のある女性社員は気の毒だから推薦しないであげよう
・男性社員が育児休業を長期間取得するのは、キャリアに傷がつくし、周りの士気にも関わる
(出典・厚生労働省HP「アンコンシャス・バイアスを学ぼう」より)
・この仕事はきめ細やかさが求められるので女性に向いている
・宿泊研修は、家庭責任のある女性社員は気の毒だから推薦しないであげよう
・男性社員が育児休業を長期間取得するのは、キャリアに傷がつくし、周りの士気にも関わる
(出典・厚生労働省HP「アンコンシャス・バイアスを学ぼう」より)
富山いずみ高校の2年生はグループに分かれて「総合的な探究の時間の学習」に取り組んでおり、このうち5人が「アンコンに気づこう!!!」をテーマに5月から理解を深めてきた。
生徒たちはアンコンシャスバイアスを意識して行動することの大切さを、年代問わず楽しく伝える手段はないかと考えた結果、「すごろくゲーム」の制作を思いつき、AIも駆使しながら内容を充実させてきたという。
アンコンシャスバイアスは時代の空気や価値観にも大きな影響を受ける。高校2年生といえば、2008年(平成20年)前後の生まれ。生徒たちは授業での学びを通して、どんな問題意識を持ったのだろうか。
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