体育館でも熱中症が起こるリスクはあり、送風機や換気で暑さ対策をしている=魚津市のありそドーム

 富山県内で2週間以上にわたり猛暑日が続いていることを受け、北日本新聞「あなたの知りたいっ!特報班(知りとく)」が行った猛暑と部活動アンケート。参考になる意見が多く寄せられたため、複数回に分けて詳報する。

 高校野球地方大会の決勝の開始時間が議論を沸き起こしたが、熱中症の危険があるのは試合だけではない。アンケートでは、練習中や部活動後の下校中、吹奏楽部など、さまざまな実例が寄せられた。

 熱中症は対処が遅れれば、内臓に損傷が残ったり、命を失うこともある。山形県では7月末、部活動帰りの女子中学生が路上で倒れ、その後、熱中症の疑いで死亡した。今回、寄せられた具体的な事例を教訓としたい。以下、アンケートの回答を紹介する(一部加工しています)。

ことしは暑さが違う

 今夏は猛暑日の連続日数が観測史上最長を更新し続けている。アンケートでは「昔の暑さと違う」「暑さの次元が違う」「根性論は通用しない」といった声が目立った。

知りとくアンケート結果より作成

 単純に部活動と言っても、暑いのは活動中だけではない。自宅から練習場所までの移動中も酷暑にさらされる。自転車ではヘルメットを被る必要もあり、より暑さが増す。

知りとくアンケート結果より作成

鍛えることと安全性の両立は…

 暑さに体を慣らす訓練を「暑熱順化」と言う。ただ、「我慢しろ」というだけの精神論では体は鍛えられず、かえって健康を損なう恐れがある。今夏は体温を超える気温になる日もあり、指導者や教員、時には応援する保護者らも熱中症の危険にさらされている。

知りとくアンケート結果より作成

 屋内の暑さも危険なレベルとなっている。文化系の部活動でも熱中症のような症状を経験したという意見が寄せられた。

知りとくアンケート結果より作成

運動前の体調も重要

 運動前の体調チェックも重要だ。風邪気味だったり、寝不足だったりすると熱中症になりやすくなることは覚えておきたい。誰かと比較することなく、自分の体調をよく把握し、我慢しない、我慢させない環境づくりが重要になる。

知りとくアンケート結果より作成

 熱中症のリスクを知るには暑さ指数(WBGT)を知ることが大切だ。最後に、

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