プラスサイズの自分を肯定する　
Amazon prime「リゾのビッグスター発掘」

　この夏一番の楽しみが、すぐそこまで来ている。フジロックでアメリカのラッパー／シンガーの「Lizzo（リゾ）」がステージに立つ。

イラスト：kumiko yamaguchi

　本作は、そのリゾが自分のようなプラスサイズ（標準より大きい体型）の女性の中から、バックダンサーの通称「ビッグガールズ」を選抜するリアリティ番組。

　最終候補者13人が合宿をしながら、リゾの出す課題に取り組む。振付の正確さなどのダンサーとしての技術はもちろん、自己肯定感といった精神も試される。

　第4話、リゾは「私のようにありのままの自分を愛して欲しい」とヌード写真の撮影を提案。心を開放するダンスメソッドを経て、ほとんどの候補者が服を脱ぎ撮影を楽しむ。一方で、抵抗感があり「挑戦しなければ選ばれないかも」と泣き出す者もいるが、「何より大事なのはあなたの気持ち。水着でも心は裸にできる」と他の候補者が励ます。そこには従来のリアリティ番組のような、ライバルを蹴落とし勝ち抜けるという競争心は見られない。撮影を終え、候補者全員で新曲「Naked」を叙情的に踊り、皆が次のステップへと進む。

　審査するリゾは一貫して、「あなたたちは美しい」と言い続ける。「裸（Naked）の自分を見るのが好き／この身体は神聖なものだと感じる／私はビッグガール、あなたはそれを受け入れられる？」という歌詞は、自分がプラスサイズであることを受け入れた彼女が、世界中の女性に送るエールだ。

作品はこちらから