商業演劇や小説など多彩なジャンルで活躍する松澤くれはさん(富山市出身)。今度は日本を代表するコンテンツである『ポケモン』のテレビアニメ制作にも関わっている。シリーズ化を見据えた新作小説『想いが幕を下ろすまで 胡桃沢狐珀の浄演』(集英社文庫)も刊行。勢いに乗る創作活動について語ってもらった。(聞き手・田尻秀幸、撮影・鳥飼祥恵)

——この4月から新シリーズになったテレビアニメ「ポケットモンスター」の制作に関わっていますね。

 まずシナリオコーディネーターとしてシリーズ全体を見通して、毎回伏線やストーリーの整合性が取れているか入念にチェックしています。それとは別に脚本も担当しています。声優さんの声を思い浮かべながら楽しく書いています。

 

——元々ポケモンのファンなんですか?

 アニメは旧シリーズの1話目から見ていましたし、ゲームは「赤緑」版からずっと好き。富山にいた中学生の頃にはポケモンカードのクラブを作って、呉羽会館(富山市)で大会を開いていました。

——どのポケモンが好き?

 「ビッパ」っていう、ビーバーみたいなやつです。めちゃくちゃかわいいんです。すべてがかわいい。

——グッズも集めているんですか。

 部屋中ポケモングッズだらけですよ。限りあるお小遣いの中から、いくら使ったんだろうって思うとゾッとします。こんな派手な格好していますけど、絶対に服よりも使ってますね(笑)。

 

——ポケモンの何が好きだったんですか?

 世界観です。不思議な生き物たちが陸上や海の中で生き生きと暮らしている。ポケモンは特別なコンテンツなんですよ。ずっと自分の人生と一緒にあったんですから。自分の感性の根っこや木の幹のような存在です。アニメのお仕事はポケモンが初めて。舞台出身なので、もし大好きなポケモンじゃなかったら尻込みして引き受けていなかったかもしれません。

——自分の手掛けたアニメをテレビで見るのはどんな気持ちなんですか。

残り594文字(全文:1396文字)