SARAMIさん=富山市出身=は修斗スーパーアトム級チャンピオン。攻撃の規制を最大限取っ払った総合格闘技の選手として、パンチもキックも投げ技も全て可能なダイナミックな試合に挑んでいる。当面の目標は年末に開かれる総合格闘技のイベント「RIZIN」に出場し、勝利すること。これまでを振り返り、意気込みを語った。(聞き手・田尻秀幸、撮影・鳥海祥恵)
——プロデビューというと華々しく聞こえますが、実際はどうなんですか。
全然そんなことないですよ。ファイトマネーだけだと、交通費にしかならない。知名度が高い「RIZIN」とかなら、もっともらえますけど。ほとんどの格闘家はスポンサーがいなければ、他に仕事をしないと生活していけない状況です。私は今介護福祉士をしていますが、働きながらの練習はやはり厳しいです。

——富山を離れたのはなぜ?
富山で就職して3年半くらいしてから、もうちょっと頑張りたいという思いが強くなった。試合に出ても負けが続いていたし、周りの選手たちもどんどん引退してしまった。このまま富山にいてもダメになっちゃうんじゃないかって焦り始めたんです。富山はいいところ。みんな優しいんですよ。人がすごくいい。だから自分で自分をすぐに甘やかしてしまう。もっと厳しい環境に行かないと、これ以上の成長はないって思って仕事も辞めて、関東に来ました。環境が変わったからでしょうか。自然と自分らしく個性を出して戦えるようになった気がします。

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