見た目はシンプルだったり、素朴だったり。でも、食材や調理工程にこだわり、格別な味を楽しめる料理があります。派手なものやおしゃれなものもいいけど、料理はやっぱり「味」が一番。「映え」ばかりを気にしているとちょっと疲れてしまいますよね。今回は、気軽に食べに行けるような、ふとした瞬間にまた食べたくなるような、そんな飾らず、気取らず、味で勝負する「愛され飯」を紹介します。(情報は取材時の内容です)
 

グリルはやし(射水市)

香ばしさ際立つ豚の唐揚げ

 白い皿の上に並ぶ豚肉は茶色一色。看板メニューの「豚肉から揚定食」は、しょうゆやニンニク、ショウガなどを加えた衣を豚ロース肉にまぶして揚げている。豚肉の甘みとしょうゆの香ばしさが相まって、ご飯が進む。

「豚肉から揚定食」(1,300円)肉ではなく衣に味付け。しょうゆの風味が食欲をそそる

 

  1969年創業。2代目オーナーシェフの林孝之さんが丁寧に作り込むハンバーグやオムライスなどの洋食が評判を呼んでいる。「落ち着いた雰囲気の中で、昔ながらの洋食をゆったり味わってもらえたら」と林さん。父で創業者の故清順さんの味を忠実に守り、盛り付けも昔のまま。幅広い世代に親しまれるおいしさをかみ締めよう。

「オムライス(ケチャップ)」(880円)薄焼き卵とケチャップの組み合わせが懐かしさ満点。卵がケチャップライスに染み込みんで味わい深い
2代目オーナーシェフの林さん。「一品一品、心を込めて丁寧に作っています」
 

シャイニーマウンテン(富山市)

素朴なフライビールで風味アップ

 緑色の外観が目印のアイリッシュパブ。店内は重厚な木製カウンターやハイスツールが配され、本場アイルランドさながらの雰囲気を楽しめる。「ギネス」など樽生ビールは7種類を用意している。

「フィッシュ&チップス」(キング1,600円)酸味の強い「モルトビネガー」(麦芽酢)をたっぷりかけるのが本場流。キングは約3人前で、サイズは他にスモール(750円)とラージ(1,100円)がある

 定番のおつまみは「フィッシュ&チップス」だ。白身魚とジャガイモを揚げたイギリス発祥の料理で、名前同様に材料や色、形も素朴。こちらの店ではタラの衣にギネスビールを使い、風味を増して一層カリッとした食感に仕上げている。「グリーンピースで彩りを加えようかと思ったこともあるけど、飾り気のない見た目も持ち味かな」とオーナーの島田光浩さん。ビールと一緒に楽しんで。

「ギネスビーフシチュー」(1,250円)牛すね肉をギネスビールのみでじっくり煮込んだ。ビールの苦みと肉のうまみが溶け合う
オーナーの島田さん。「知らない人同士でも気軽に話せる『交流の場』になればうれしい」

 

 

喫茶 風車(黒部市)

手作りにこだわった 多彩なメニュー

 三角の屋根が目を引く喫茶店。創業は1979年で、店内は昭和レトロな雰囲気が漂う。店主の田島武さんは自家製の調味料を使うなど、手作りにこだわる。メニューは約80種類で、ドリア、カレー、麺類など多彩にそろえる。

「力飯」(600円)ボリュームたっぷりで、名前の通り力が湧いてくるような丼飯。おしんこ、みそ汁が付く

 開店当初から親しまれている「力飯」は、豚バラの焼き肉をたっぷりのせた丼飯で、しょうゆベースの秘伝のたれがよく絡み、箸が止まらなくなるおいしさだ。昔ながらの太麺を使った優しい味わいの「ナポリタン」もおすすめ。時代を超えて愛される味を堪能しよう。

「ナポリタン」(700円)もちもちの太麺を使い、ケチャップで味付けした懐かしい味に心癒やされる。ミニサラダが付く
店主の田島さん。「気楽に過ごしてほしいという思いで店を始めました」
 

 撮影:南部スタジオ、さいとう写真事務所