新施設の熱帯鳥類館「バードピア」は、東口から徒歩3分、ペンギン池の向かいにできました。 

黄と青の羽が美しい大型インコ、ルリコンゴウインコがお出迎えてくれる
鳥の声が聞こえるように、ガラス上部はワイヤーメッシュになっている

屋内にはガラス越しに鳥たちを観察できる展示室が3つあり、南米、アフリカ、東南アジアと生息エリア別に、鳥たちを展示しています。なるべく自然に近い環境で鳥たちが過ごせるように、熱帯の植物が置かれて、滝や池もあります。室温は25~30度に設定。湿度は80%を保つため、時々、天井からミストを噴霧しています。
 

☆南米エリア

🐓観察ポイント①
群れで暮らす鳥は仲がいい! 

アカコンゴウインコの2羽。「その枝ちょうだい」「いいよ」…仲の良い声が聞こえてきそう

南米エリアでは、インコや水鳥など6種24羽を展示しています。どれも群れで生活する鳥のため、展示室の中でも同じ種同士で寄り添って過ごしています。

赤い羽が目を引くアカコンゴウインコの2羽は特に仲が良さそう。「ペアですか?」と青山さんに聞くと「メス同士です。群れで生活する鳥は、同性でも仲良く生涯にわたって一緒に過ごすことがあるんですよ」と教えてくれました。

🐓観察ポイント➁
片足で立って寝る

片足で立つクロエリセイタガシギ。よく見ると羽の間からもう片方が見えていることも

池周辺には水鳥が集まっていました。モノトーンカラーのクロエリセイタガシギは、長い脚1本で立ち、顔はくるりと背中に沈めています。「すごいバランス感覚!」と言いたくなりますが、実はこの格好で寝ています。「鳥が片足で寝るのは、冷えないようにするためと言われています」

☆アフリカエリア

アフリカエリアでは、中央アフリカに生息する中型インコのヨウム5羽を飼育しています。頭がよく、人の言葉をすぐに覚えるため、ペットとしての人気が高い鳥。密猟や乱獲によって絶滅が危惧されるほど数が減り、現在は国際取引が禁止されています。

🐓観察ポイント③
鳴き声の裏に人間との関わりが見える

知能は人間の5歳児ほどとも言われるヨウム。顔もなんだか賢そう

写真を撮っていると、変な鳴き声が聞こえてきました。「あれ!? 今、ニャオって鳴きました?」と聞くと「そうなんです」と青山さんが苦笑いします。
この5羽は、これまで別々の場所、様々な環境で飼育され、ファミリーパークへとやってきました。「きっとどこかで猫と一緒だったんでしょうね」。パークに来てから覚えた音もあり、しばらく前に立っているといろんな鳴き声が聞こえてきました。

🐓観察ポイント④ 
緊張感漂う5羽 仲良くなるのはいつ?

一定の距離を保ちながら過ごすヨウムたち

鳴き声のほかにも気になることがあります。「全然一緒に遊ばないし、なんか緊張感ありますよね」と聞くと「そうなんです。ヨウムも群れで暮らす鳥なんですけど、群れないんです」。
これまで人間と暮らしてきたため、相手を見ても「仲間だ!」とは思っていないよう。青山さんの仕事は、まずはこの5羽を仲良くすることから始まり、いずれは繁殖技術の確立を目指します。

☆東南アジアエリア

種類ごとに分かれて過ごす鳥たち。パラワンコクジャクはたいてい写真右下の植え込みの奥に隠れている

東南アジアエリアでは、4種7羽を展示しています。白い鳥ばかりに見えますが、金属のように輝く青い羽をもつパラワンコクジャクが1羽一緒に暮らしています。ただ恥ずかしがりやのため、この日もお気に入りの植え込みの奥に隠れていました。

🐓観察ポイント⑤
カンムリシロムクはペアになったばかり

毛づくろいをするカンムリシロムクのペア

真っ白な体と目の周りの青い肌が特徴のカンムリシロムクの2羽は、この展示室に入ってペアになったばかりです。オスがメスにアピールするために頭の冠羽を立てて体を上下に揺らしてダンスする姿も、青山さんから見ると「ちょっと下手っぴ」。初々しいペアの姿が見られます。

探してみよう!

その他にも面白い鳥たちがたくさんいます。

🐓人間っぽい?

ズグロシロハラインコ。真剣な顔?で、餌を手でつかんで食べる姿が人間っぽい​​​​​


🐓気品漂うハト

ソデグロバト。張り出した胸はよく見るハトと同じだが、黒で縁取られた白い羽が美しく気品漂う“紳士”のよう


🐓乙女ちゃん

シロビタイムジオウム。黒い瞳に頬紅をさしたような愛らしい顔に、ふわふわのドレスのような羽が、少女漫画の“乙女”そっくり


🐓成長中!

バードピアを担当する青山さん。鳥たちと一緒に飼育員として成長中!

バードピアでは11月末までの土日祝日の午前10時半から11時、担当飼育員による動物ガイドを実施しています。解説を聞きながら観察すればもっと楽しめますよ。