小児がんとは、15歳未満の子どもがかかるがんの総称で、日本では年間2000~2500人が発症しています。医学の進歩によって7~8割は治療できるようになりましたが、いまだに子どもの病死要因の1位を占めています。無事に治療を終えても、障害を抱えるケースも少なくありません。
また、日本は他の先進国に比べ、治療方法や薬の研究開発に充てる予算が少なく、小児がん支援の仕組みづくりが遅れているといわれます。
そこで広がっているのが、小児がん支援のために募金をしてくれた人たちに、レモネードをプレゼントする「レモネードスタンド活動」です。

活動の発端は、小児がんと闘っていたアメリカの少女でした。同じ病気の子どもたちのために、治療研究費を集めて病院に寄付しようと、自宅の庭にレモネードスタンドを開設。この取り組みが全米に波及し、レモネードスタンドは、小児がん支援のための社会貢献活動として定着していきました。
正しく理解し 受け入れて
活動は海を越えた日本、そして富山県でも行われています。
県内在住の小児がん当事者家族でつくる「CCCT 小児がんのコト親の会」は2021年6月から、富山福祉短期大学や射水市の企業「北陸ポートサービス」とともに「レモンプロジェクト」をスタート。賛同者のサポートを受けながら、県内各地のイベントにレモネードスタンドを出店し、集まった募金を小児がんの研究・支援機関に寄付したり、闘病中の子どもたちの支援に充てたりしています。

同会代表の竹内ますみさんは、活動を通して「多くの人に小児がんを知ってもらいたい」と訴えます。
小児がんは患者数が少ないため、正しい知識や理解が広がりにくく、当事者や家族は孤立しがちです。竹内さん自身も、長男が東京での治療を終えて富山に戻った際、「今後のことを誰に相談していいのか分からず、途方に暮れた」と言います。その経験から、家族同士が情報や悩みを共有できる場をつくり、レモネードスタンドをはじめとした啓発活動に取り組んでいます。
「私たちの願いは2つ。1つは小児がんが治せる病気になること。もう1つは、病気を正しく理解し、地域に受け入れてもらうこと、子どもたちの居場所をつくることです」

同会は2022年9月10日に高岡市、17日に射水市で開催される「02めぐるマルシェ」にも、レモネードスタンドを出店する予定です。あなたも1杯の飲み物を通して、小児がんの子どもたちをサポートしてみませんか?
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CCCT 小児がんのコト親の会は、啓発活動の一環として、小児がんの子どもたちの絵画展や古本募金活動なども県内各地で行っています。
活動の詳細は、同会のInstagram(@ccc_toyama)で紹介しています。
