「実りの秋」と言われるように、秋はさまざまな食材が旬を迎え、食べる楽しみが増します。夏の暑さで低下していた食欲も回復するので、なおさら食べ物がおいしく感じられる季節ですね。
秋に収穫期を迎える野菜といえば、香りの良いマツタケをはじめとしたキノコ類、甘くてホクホクしたカボチャやサツマイモ、レンコンなどの根菜類が挙げられます。

今回は秋の味覚キノコについてお話ししたいと思います。
キノコ料理と言えば、マツタケの土瓶蒸し、キノコのホイル焼き、炊き込みごはん、お吸い物などたくさんありますね。
キノコの栄養素
キノコはカビの仲間に近い菌類で、私たちが食べているのは、子孫を残すために胞子をつくる「子実体」という部分になります。植物では果実や花に相当する器官です。
カロリーが低く、食物繊維をはじめ、エネルギーを作るのに必要なビタミンB群、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、胎児の発育、特に初期発達に必要な葉酸、摂り過ぎたナトリウムの排出を促し、血圧を下げる作用のあるカリウムなどが豊富です。
また最近では、キノコの細胞壁に豊富に含まれている食物繊維の一種βグルカンが「体を守る」「免疫力を高める」と言われ、注目を集めています。
キノコの選び方
キノコの状態によっては、鮮度が低かったり、風味や味が落ちていたりする場合があります。次の3点に着目して、しっかりと選びましょう。
①かさが開ききっていないもの
特にシイタケはかさが開ききっておらず、傷のない肉厚なものを選びましょう。
➁かさの裏側が白いもの
新鮮なキノコはかさの裏側の色が白く、古くなると変色していることが多いです。
③水っぽいものは避ける
水っぽいものは古くなり、鮮度も下がっています。また、キノコは水に触れると味や香りが落ちてしまいます。パックの中に水滴がないかを確認しましょう。
次回はキノコの調理や保存方法についてお伝えします。
◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆
管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。