サイトやアプリでお金の使い方を学んだ後は、経験を積むことで実践力を身につけてほしいですよね。今回はお金のプロ、ファイナンシャルプランナー(FP)の丹羽誠さん(富山市)にインタビューしました。
県金融広報委員会の金融広報アドバイザーとしてキャッシュレス化をテーマにした講座を担当する丹羽さんは「お金の教育は、早ければ早いほどいい」とし、小学生になったらすぐに始めることをすすめます。その方法として提案するのが、プリペイドカードを使ったお小遣いです。
子どもに教える時には、まず親がキャッシュレス決済について知る必要があります。主な手段を確認しましょう。
①後払い/クレジットカード
店の代金はカード会社が立て替え、代金は後でカード会社に支払います。カード作成時には支払い能力について調べる「与信審査」があります。キャッシュレス決済として最も普及しています。
②即時払い/デビットカード
店の機械でカードを読み取り、自分の銀行口座からその場で引き落とされます。与信審査はありません。
③前払い/電子マネー・プリペイドカード
事前にカードやスマホにチャージ(入金)し、店の読み取り機にタッチして支払います。前払いのため、与信審査はありません。「楽天Edy」や交通系ICカード「Suica」でも知られています。
④スマホ決済
スマホにクレジットカードや電子マネー、銀行口座などを登録。買い物をしたら店のQRコードを読み込んだり、自分のアプリのQRコードやバーコードを読み込んでもらったりして支払います。「PayPay」や「LINE Pay」など「○○Pay」の名前で普及しています。
キャッシュレス決済は世界的な流れで、韓国では9割を超えています。中国でも8割を超えたと言われ、丹羽さんは「屋台で焼き芋を買う際も、現金は使いません」と説明します。
一方、日本では、経済産業省によると、2020年の1年間では29.7%と低迷。政府は2025年までに、支払いの4割程度をキャッシュレス決済に、将来的には8割を目指す方針を掲げています。
現金のやり取りをせず、数字だけが増えたり減ったりして物を売買するー。それが当たり前となる社会が、近い将来、日本にもやってきます。丹羽さんは「子どもたちには、今のうちからキャッシュレス決済の数字とお金が連動していることを体験させ、お金の価値を正しく理解できるよう教えていかなければいけません」と話します。そこで提案するのが、プリペイドカードを使ったお小遣いの渡し方です。
三井住友カードのVisaプリペイドカード「かぞくのおさいふ」は6歳以上(小学生以上)から使用できます。子どもがカードを使ったら親にメールが届き、ウェブサイトで購入した店や金額、残高を知ることができるので安心です。アプリもあり、より便利に利用できます。
また、月の利用上限金額を設定したり、インターネットでの買い物や海外サイトの利用を制限したりすることもできます。
>>>三井住友カードのVisaプリペイドカード「かぞくのおさいふ」のサイトはこちら
「JCBプレモカード」もインターネットなどでチャージし、店やインターネットでの買い物に利用できます。子どもから大人まで持つことが可能です。
「PayPay」といったスマホ決済を取り入れるのも一つの手です。PayPayは、銀行口座やクレジットカードの情報を登録しなくても、セブン銀行、ローソン銀行のATMでチャージができます。さらに、親のスマホに登録しているPayPayの残高から、子どもに送金することができます。
丹羽さんは「慣れないうちは、やりくりに失敗するかもしれませんが、親は見守ってあげてください。失敗も含めて実践することが、子どもの教育には最も大切です」と強調します。
1989年上智大学法学部卒業後、大手証券会社に入社、その後、会計事務所にうつり、資産税(相続税・贈与税・譲渡税)を中心とした経営者・資産家の税務相談・会計業務にたずさわる。また、医業専担者として、病院・診療所の会計指導・医療法人の設立やM&A案件を主導する。2001年より会計事務所系コンサル会社取締役、2010年より代表取締役として、ファイナンシャルプランニング、経営コンサルティングを行い、2018年、㈲ライフプラン研究所(キャッシュフローコーチ富山)2代目所長に就任。2019年4月から金融広報アドバイザー。