富山市の小学3年、小林大悟君は、農業ベンチャーの笑農和(えのわ)(滑川市上小泉)を訪ね、スマートフォンで、どこにいても田んぼの水の量を調節できるという遠隔操作システムを体験させてもらいました。

小林君のおじいちゃん、おばあちゃんは、お米を作っていたけど、年を取り体がしんどくなってきたので、昨年でやめてしまったそうです。「作業が楽になる方法があればいいのに」と思いながら社長の下村豪徳さんの話を聞きました。案内してくれたのは滑川市内の水田です。

「田んぼの脇を見てごらん」と下村さんが指さした先にあったのは白い箱でした。下から金属の板が出ていて用水の水門になっています。

スマートフォンを取り出し、画面のボタンを押すと、板が自動で持ち上がり、用水の水が田んぼに入っていきます。

笑農和が開発した水門の遠隔操作システム「paditch(パディッチ)」です。ネットでスマホとつながり、いつでもどこでも水門を操作できます。センサーで水位や水温も測れるため、自動操作も可能です。

農家はおいしいお米を作るために水田を回って一つずつ水の量を調節しています。雨の日も炎天下の日も毎日というから、農家のとても大きな負担になっています。「パディッチがあれば家でも旅行先でも状態を把握して水門を操作できるんです」と下村さん。既に全国で530台が稼働中だそうです。

水管理の時間が大幅に減り、お米の収穫量が16%増えたというデータもあるそうです。小林君は「農家の仕事が楽になるし、他の野菜を作る余裕も出てきそう」と驚いていました。人工衛星のデータを用いた実験にも取り組んでいて、技術はまだまだアップしそうです。