「黒部峡谷」は、黒部川が長い年月をかけて刻み込んだV字峡が延々と続く日本三大渓谷の一つです。

青空の下、黒部峡谷の紅葉を楽しむ観光客=欅平の奥鐘橋 

日本で最も深く、最も大きな峡谷とされています。

人を寄せ付けない深い谷

「八千八谷」と言われるほど多くの渓流が流れ込む深い谷は、長い間、人々を寄せ付けませんでした。

新緑の黒部峡谷を行くトロッコ電車

「それほど、深い急流なら水力発電に向くのでは」と目を付けたのが、タカジアスターゼの発明で知られる高峰譲吉(高岡出身)でした。
薬で稼いだお金を基に電力発電事業に乗り出したわけです。
「くすりの富山」と黒部の電源開発は結び付いていたんですね。

資材運搬用に建設

こんな秘境に発電所を建設するには、大量の資材を山奥に運ぶ必要があります。そこで造られたのがトロッコ電車なんです。
事業は大正8年から始まり、昭和12年には宇奈月~欅平間の全線が開通。昭和28年に関西電力が地方鉄道業法の許可を得て、「黒部鉄道」として営業運転を始めました。46年からは子会社の黒部峡谷鉄道が運営を担っています。

夏でも涼しげな万年雪
エメラルドグリーンに輝く黒部川
「錦秋」という言葉がぴったりな峡谷を彩る紅葉
四季折々、幾つもの橋、数々のトンネルをくぐり抜けるたびに自然の魅力を満喫できることでしょう。

欅平で河原近くにある足湯を楽しむ参加者ら

SFアニメの舞台にも

こんな素敵な場所を舞台にしたアニメ作品もあるんです。しかもSF大作なんですよ。
動画配信大手「ネットフリックス」のオリジナル作品として2018年に制作された「A.I.C.O. Incarnation(アイコインカネーション)」です。

黒部峡谷を舞台にしたアニメ「A.I.C.O. Incarnation」のイメージ画像。左の少女が主人公のアイコ(©BONES/Project A.I.C.O.)

富山の女子高校生、橘アイコが、黒部峡谷一帯で暴走する謎の生命体と戦いながら、自分の体に隠された秘密に迫るストーリー。7か国語の吹き替えも用意され、ワールドスケールの作品になっています。

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