前回は万全の体調で受験に臨むための食事のポイントをご紹介しましたので、今回はおすすめの食材などをお話しします。
魚を食べると頭が良くなるとよく耳にしますね。主に青魚に豊富に含まれるDHAという物質が、脳の神経細胞の働きを活性化したり、細胞膜を柔軟に保ったりする効果を持つためです。
DHAとは
そもそもDHAとは何なのでしょうか。
私たちの脳は膨大な神経細胞から成り立っており、その細胞膜を構成している主成分がDHAです。さらに近年の研究から、DHAはω―3(オメガ3)系の不飽和脂肪酸に分類され、エゴマオイルやアマニオイル、青魚に多く含まれることが分かってきました。健康のためにも脳の活性化にも、おすすめです。
ただ、食べ方にポイントがあります。食用油であれば、揚げる、炒めるなどの加熱調理には向いていないので、サラダなどにかけて食べるといいですね。また魚は、加熱調理後、あまり時間をあけず食べるようにしてください。
おすすめの魚は
DHAは青魚に多く含まれてており、100g中の含有量は次の通りです。
マグロ 2877mg
ブリ 1785mg
サバ 1781mg
サンマ 1398mg
サケ 820mg
アジ 748mg
(文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)脂肪酸成分表」より)
「青魚は苦手」「試験当日に食べると胃がもたれそう」という人には、アジやサケがおすすめです。受験前の生魚は食中毒の危険を避けるため、刺身ではなく、焼いたり、蒸したり、少しDHAが流れますが、煮たりするのがよいでしょう。
サケは白身魚でありながらEPAやDHAが多く含まれています。また、皮の部分には多く含まれているので、皮も食べることをおすすめします。今回はサケを塩こうじにつけて焼くだけの塩こうじ焼きです。前日の夕食、当日の朝食にぴったりですね。
【材料】(1名分)
紅サケ 120g
塩こうじ 8g
大根 40.g
【作り方】
① サケを洗い、キッチンペーパーで水けをふき、塩こうじに1時間ぐらいつけます。
② ①を取り出し、グリルで焼きます。
③ 大根は皮をむき、おろします。
【栄養素】
エネルギー:184kcal
たんぱく質:27.4g
脂質:5.5g
炭水化物:4.0g
カルシウム:24mg
カリウム:465mg
食物繊維:0.7g
ビタミンB 1:0.32mg
ビタミンB2 :0.18mg
ビタミンB6:0.51.mg
ビタミンD:140μg
次回は勉強中に「ほっとひといきレシピ」をお届けします。
◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ) ◆
管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。2000年中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会、日本静脈経腸栄養学会、日本栄養士会、日本臨床スポーツ学
会に所属し、公認スポーツ栄養士の仕事や役割などを広める活動をしている。