健康の3原則は

さて、皆さんに質問です。健康のための3つの約束を知っていますか?

答えは、栄養(食べること)・運動(動くこと)・休養(休むこと)です。すべてしっかり守れていますか?

現代の子どもたちを調査すると、この3つの約束を守れていない「半健康」状態の子どもがたくさんいることが分かりました。栄養不足・運動不足・休養不足の状態で日々の生活を送ると、幼少期の健康はもちろんですが、将来の健康状態にも大きく影響を及ぼします。

半健康状態とは

半健康状態になると、以下のようなことが起こります。

  • 体力、運動能力の低下
  • 体温調節機能の低下
  • 疲労・体調不良を訴える子どもの増加
  • 自律神経失調症傾向の子どもの増加
  • 姿勢不良
  • 肥満児の増加

中でも、体力・運動能力の低下と、体温調節機能が低下している子どもは年々、増加傾向にあります。皆さんのお子様はどうでしょうか?

体力・運動能力を向上させるために

幼児期に専門的な運動指導は必要ありません。実際に専門的な運動指導を取り入れている園より、自由遊びを多く取り入れている園の方が運動能力は高かったとの報告もあります。

大事なことは、大人と子どもが一緒に、楽しく体を動かすことができる環境を提供することです。つまり、身近にいる大人が一緒に公園で駆け回ったり、転がったりして全身を使って遊ぶことができれば、自然と体力や運動能力は向上するということです。

体温調節機能の向上させるために

早稲田大学の前橋教授の調査で、子どもたちの登園時の体温を測ると、高体温症(37.0℃以上)と低体温症(36.0℃未満)の子どもが約3割いることが判明しました。

改善方法として前橋教授は、午前中に30分の運動遊びを取り入れました。すると、高体温症や低体温症だった子どもが昼食前の体温測定で36.0℃台になったと報告されました。また、継続して実践すると、体温異常だった子どもの割合が減ってきたことも分かりました。

このように、体を動かすことは体力の向上効果だけでなく、体の機能も正常に整える効果があることが示されています。

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◆小川耕平(おがわ・こうへい)◆
富山福祉短期大学幼児教育学科講師・NPO法人笑顔スポーツ学園理事長

短大教員として学生に幼児体育や運動遊びについて指導する傍ら、幼児向け運動教室の講師やスポーツ少年団の監督も務める。スポーツ愛好家への健康・体力づくり指導や、富山県出身のオリンピック・パラリンピック選手へのサポートも行う。