前回までの2回で、熱中症の症状や体内にある水分の役割をご紹介しました。
今回は、熱中症を予防するための水分補給のポイントがテーマです。

のどが渇く前に飲む!

大事なことは、のどが渇くと感じる前にこまめに水分を補給することです。
水分の温度は夏場であれば、5~10度の冷やしたもの。冷蔵庫から出したような水温が適しています。水分の組成は、塩分0.1~0.2%、糖分3~6%が適当です。

たくさん汗をかかない時は、水や麦茶などで構いませんが、スポーツをしているときや暑くてたくさん汗をかくときは水分だけでなく、ミネラルも汗で出ていってしまうので、ミネラルや糖分を含んだ飲料を補給してください。手軽なスポーツドリンクで構いませんが、スポーツドリンクが苦手という場合は、塩タブレットや塩飴を水や麦茶と一緒に補給してください。

スポーツドリンクを選ぶときには、成分表示欄を見て、ナトリウムが含まれていることを確認してください。また、ナトリウムは少なくとも100mLあたり40~80mg含まれているものを選びましょう。中にはスポーツドリンクとうたっていますが、ナトリウムが含まれていない製品もあります。

 

運動中は15~20分ごとにコップ1~2杯

飲み方のコツとしては、一気飲みやガブガブとお腹がちゃぷちゃぷするほど飲まない。のどを潤すようにゆっくりと。目安としては運動前には30分前ぐらいから250mL~500mLを2~4回にわけて飲みましょう。運動前から十分に水分補給を行ってください。

運動中は15~20分ごとにコップ1~2杯、1時間で計500mL~1L程度を飲むようにします。

運動後は減った分の体重を補うように数回に分けて飲む。気温や運動強度により違いますが、運動前後の体重を計り、体重減少は2%までにとどめておきましょう。体重減少の激しい時は水分補給方法や水分量を見直しましょう。

◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆

管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。