韓国一の港町として栄える釜山(プサン)には、日本からも多くの“食通”が訪れるほど、グルメな街としても知られています。その釜山出身の姜慶淑(カン・キョンスク)さんに、韓国を代表する家庭料理『ニラチヂミ』と、『タッカルビ』をアレンジした『チーズタッカルビ』の作り方を伝授してもらいました。いつもとは一味違う、本場の味に仕上がります。


ニラチヂミ

 


【材料 (2人分)】

  • ニラ…2袋
  • 長ネギ…2本
  • タマネギ…1/2個
  • イカ…150g(1匹の半分)
  • エビ…3~5匹
  • 水…100㏄
  • 韓国チヂミ粉 …90g(もしくは小麦粉50g、片栗粉40g)
  • 卵…1個
  • 塩…少々

つけダレ

  • 醤油…大さじ3・酢大さじ1
  • 韓国唐辛子粉…少々(もしくは一味唐辛子をお好みで)
  • ごま油…少々
  • 炒りごま…少々


【作り方】

①ボールに卵と水を入れて混ぜ、粉を入れて泡だて器で良く混ぜます。

②イカとエビはぶつ切りに、長ネギとタマネギは細めの千切りにします。ニラは根を切り落とし、3㎝ずつくらいに切ります。具材の準備ができたら①と混ぜ合わせます。


③フライパンを熱し、サラダ油をたっぷり引きます。先ほど混ぜた材料を流し入れ、中火〜やや強火でキツネ色になるくらいまで火を通します。
[ポイント] 油をたっぷり引くことで、カリッとした仕上がりになります。


④ひっくり返して、裏面も同じように焼いていきます。この時、ヘラやお玉の裏側で力強く生地を押し、なるべく薄くするのがコツです。


⑤もう一度ひっくり返し、全体に火が通ったら完成! 自家製のタレにつけて召し上がれ。現地ではキッチンばさみで切り分けます。


<ワンポイントアドバイス>
日本のお好み焼きとは違い、薄ければ薄いほどカリッとした美味しいチヂミができあがります。中に入れる具を変えることでいろんな味が楽しめます。韓国では、セリや三つ葉、青じそ、せんぎりごぼうなどが人気です。



チーズタッカルビ

 

【材料(2人分)】

  • 鶏もも肉 …1枚
  • キャベツ…2~3枚
  • じゃがいも …1個
  • にんじん …1/4本
  • 玉ねぎ …1/2本

<鶏もも肉の下味用のタレ>

  • コチュジャン…大さじ1
  • しょうゆ…大さじ1
  • 酒…大さじ1
  • 砂糖…大さじ1/2
  • おろしにんにく…2cm
  • おろししょうが…にんにくの1/3の量
  • ごま油…適量
  • とろけるチーズ…お好みによって


【作り方】

① 鶏もも肉は一口大に切り、下味用のタレに30分以上漬け込んでおきます。
[ポイント]韓国料理は下味が決め手! 漬け込む時間が長いほど、美味しくなります。


②キャベツ→ざく切り、じゃがいも→皮を剥き5mmくらいの短冊切りをし、水にさらします。にんじん→5mmくらいの短冊切り、玉ねぎ→薄切りにします。

③フライパンにごま油、またはサラダ油を引き、切った野菜を炒めていきます。


④野菜がしんなりとしてきたら一度お皿にあけ、今度は漬け込んでいた鶏もも肉を炒めます。
[ポイント]野菜と肉を別々に炒めることで、味が混ざることなく、それぞれの美味しさを楽しめます。野菜は電子レンジで蒸してもOKです。


⑤ 野菜、肉両方に火が通ったら、ふたをして中火で10分ほど蒸し焼きにします。

⑥ 真ん中にとろけるチーズを入れ、再度ふたをし、1~2分待ちます。


⑦チーズが溶けたら完成です!


<ワンポイントアドバイス>
チーズをたっぷり入れて、チーズフォンデュのようにつけて食べるのがオススメです。ホットプレートを使えば、最後までアツアツの美味しい状態でいただけます。野菜はお好みのものを入れて、アレンジしてみてください。



<食べてみた!>
チヂミは、たっぷり入ったニラの食感と、カリッとした生地との相性がバツグン! 特製のつけダレにつければ、何枚でも食べられます。チーズタッカルビは、肉と野菜だけでも十分においしいですが、チーズにつけることで全く違った味が楽しめます。まさに、子どもも大人も喜ぶメニュー。ホットプレートで家族や友達と囲んで食べれば、ちょっとしたパーティー気分を楽しめそう!


<韓国の子育て事情>
韓国の子どもたちは、夏休みには親元を離れて、別の場所で過ごすというケースが多く見られます。日本と同じく共働きの家庭が多いので、おじいちゃんのお家に長期で泊まる子もいれば、礼儀作法を学ぶ合宿に出かけたり、海外留学する子も少なくはありません。小学生の早いうちから「自立させる」という意識は、日本より強く持っています。

高校、大学の受験戦争は相変わらず激しく、中学になれば塾に通わなければついていけません。学校のない日は、塾の良い席を取るために、朝の6時頃から並ぶという子もいます。多くの家庭では、親の給料の半分近くを子どもの教育費に費やし「良い学校に進んで、良い企業に入ることが最優先」という考え方が強いようです。この熱すぎる受験戦争について、疑問を感じながらも、皆がそうしているから、なかなかやめることができないのが現状のようです。

韓国には、日本のような「部活」がありません。そのため、スポーツや習い事をしたい子は、学校が終わってから自分の行きたいクラブや教室に通います。女の子に人気なのはピアノやバイオリン。男の子のスポーツでは、最近は野球よりもサッカーが人気になってきています。

【教えてくれた人】
姜慶淑さん

1979年に来日。富山市役所に長年勤務し、現在は富山市民国際交流協会事務局員。日本で子ども二人を育てた。