春の訪れとともに、街には「卒業」の文字があふれる。学校の門を出る若者だけでなく、人生のさまざまな節目を迎える人たちにとっても、春は区切りの季節だ。北日本新聞「あなたの知りたいっ!特報班(知りとく)」は、「あなたにとっての卒業」をテーマに体験談を募集した。寄せられた声には、子どもの巣立ちや職場との別れ、苦しい時間からの解放など、多様な“卒業”の姿があった。その一部を紹介する。

卒業式の思い出
私は末っ子さん(69)=富山市=は、約50年前の短大の卒業式を思い出す。卒業生代表の一人として壇上であいさつをしたが、そのことを母に知らせていなかった。客席で母は「娘に似た子がしゃべっている」と思っていたという。帰宅後、「そんなことなら教えてくれればよかった」と言われたが、「あなたの末娘が最後の卒業の時に壇上に登る人に成長しました。これまでありがとう」と感謝を伝えた。母はその後亡くなり、20年がたつ。「私の人生の卒業はいつ訪れるのでしょうか」と、時の流れをかみしめる。
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