第3回「パンクへの目覚め」から続く

 「パンクやっとる俺が東大通ったら、面白くないけ?」。その一言から始まった東大への道。当初は「一浪しても大学に入れるかどうか」と言われるくらいの学力だったので、高校2年の3学期から猛勉強を始めました。日米を行き来する中でバイリンガルになっていたので、英語はやらなくても済む。浮いた時間を古文の勉強に充てたり、参考書も一番納得のいくものだけを使ったりと、独自の勉強法を編み出して必死に取り組みました。

■レッテル貼りへの抵抗

 不良のレッテルを貼って管理・監視しようとする大人たちへの抵抗という側面もあったかもしれません。大人が望む「優等生」に意味はないし、そんなことに僕は縛られない。それを自分自身に証明するような感じです。それと、当時は外国籍で不良というだけで異様に怖がられ、孤立しがちだったので、「そうじゃない、国籍とか関係ないところで同じなんだ」ということを示したかった。おかげで成績は順調に伸び、3年生進学時に正式に高校編入が認められました。

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