2025年8月19日、タミヤのデザイナー、アートディレクターとして活躍された田宮督夫(まさお)さんが87歳で亡くなられました。7月に亡くなった兄の田宮俊作会長の後を追うかのような、わずか1カ月後の出来事でした。
タミヤのツインスターロゴの生みの親
督夫さんは俊作会長の3歳年下の弟で、東京芸大に在学中に兄の俊作さんに頼まれてタミヤのツインスターロゴマークを考案するなどタミヤに深く関わりました。
1967年からはフリーとなって東京青山に事務所を立ち上げデザイナー、アートディレクターとしてタミヤのありとあらゆるデザイン関係を統括し、1998年まで担当されました。

世界が知っているタミヤのツインスターロゴも督夫さんがデザイン
タミヤは何もかもがカッコいい
以前、このコラムにも書きましたが、タミヤの製品はプラモデルキット自体の素晴らしさはもちろんですが、パッケージ、カタログ、チラシ、雑誌広告、グッズ、果ては社用封筒に至るまで何をとっても同業他社より一歩も二歩も抜きんでてカッコいいと子供心にも感じました。
ありとあらゆるものがツインスターマークを中心に統一デザイン化されていきました。CI(コーポレートアイデンティティー)の考え方を60年前にいち早く取り入れ、それを徹底して具現化する先見の明は驚くばかりです。これをたった一人の田宮督夫という人が築き上げたのです。督夫さんがまだ30歳になったばかりの頃でした。
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