
―富山に来られることはありますか。
富山には大学時代の先輩がいるので、その付き合いで来てますね。現役時代に来る機会は少なかったのですが、富山で試合があるときは、先輩が営むとんかつ屋さんに他の選手と一緒に食べに行っていました。
―富山での試合で印象に残っていることは。
乱闘です(笑)。巨人の打撃コーチをしていた頃のヤクルト戦でした。厳しいインコース攻めで、選手が死球を結構受けてましたからね。
―中畑さんは外国人選手を羽交い締めにしていた記憶が…。
選手にけがをさせないために、コーチ陣は命懸けで頑張らないといけない。今だから言えるけど、もし乱闘になったら、誰が誰を抑えるかという話がミーティングで決まっていたんですよ。
―来年7月29日に富山市民球場でマイナビオールスターゲーム2026があります。
球界を代表する選手が集まり、レベルの高い野球を生で見られるっていうのは、一粒で何度もおいしい機会。ただのお祭り騒ぎじゃなく、選手たちには自分たちの持ってる力を出し切って、「これぞプロ野球」という姿を富山のファンに見せてほしいね。
―中畑さんが出場されていた頃のオールスターはどうでしたか。
各球団のスーパースターたちが集まるから、萎縮しちゃうところなんだけど、おれはベンチのど真ん中に座ってた(笑)。オールスターの頃になると、シーズンの結果が大体見えてきているから、日本シリーズで当たるかもしれないパ・リーグのピッチャーをチェックしていたね。
―今回は親子野球体験教室の講師として富山に来られました。子どもたちに指導するときに心掛けていることは何ですか。
第一に、「野球って楽しいよ」と伝えたいですね。最初は投げたり、打ったりするのがうまくいかなくても、2回目、3回目になってうまくいけば喜んでくれる。興味を持って、結果がついてきたときに、「もっと頑張ろう」とやる気が出る。褒められたらうれしいし、子どもは目が輝くね。
人づくりに一番大事な役割を担ってるのがスポーツで、人間磨きに役立ってくれたら最高だね。家族の絆や、信頼できる仲間ができるのが団体競技であり、野球は人間教育には最高に適したスポーツだと思っている。親子野球体験教室が良いきっかけになってほしいね。

―6月に亡くなった長嶋茂雄さんは、中畑さんにとって