9月1~3日に富山市八尾町中心部で開かれる伝統行事「おわら風の盆」で、富山大の学生たちが、町内の休憩所や見どころをネット上で紹介するサービスを提供する。期間中の利便性向上や混雑緩和を目的に企画。100円の有料版では、町流しが行われている場所をリアルタイムで把握できる。

 風の盆のパンフレットに記載したQRコードをスマートフォンで読み取ると、便利情報が一目で分かるサイトにアクセスできる。観光案内所やトイレ、交通機関といった7種類の施設や設備をマップ上に表示。地図を確認しながら町内を巡ることができる。外国人向けに、英語表記にも対応した。

 開発に携わったのは、同市五福の会員制のコミュニティー施設「面白ベース」を運営するbanca(バンカ)とその会員を中心とした学生ら。昨年のおわら風の盆期間中は、地域内の混雑状況を調査した。町によって混雑する時間帯や地点にばらつきがあり、人が集中して踊りを十分に楽しめないという課題が分かった。

 そこで、公式LINEで100円支払うと、町流しがどこで行われているかが分かる機能が加わる。おわらの歴史や魅力を紹介する記事も掲載した。

 18日は市役所でメンバー6人が、藤井裕久市長に使い方を紹介した。メンバーの一人、富山大大学院1年の後藤晏伴さんは「スマホを手に、より深くおわらを楽しんでもらいたい」と話した。