サッカーの北信越フットボールリーグ1部に参戦している富山新庄クラブが、先月末の前期最終節で強敵の福井ユナイテッドFCを破って首位に浮上した。初優勝に向けて絶対に負けられない大一番を制して勢いに乗っている。
福井との決戦は6月29日、ホームの富山市岩瀬スポーツ公園球技場で行われた。北信越リーグ1部には8クラブが参加し、ホーム&アウェー方式で各14試合を行う。第6節を終えて5勝1分の勝点16で並び、得失点差で上回る福井が1位、新庄が2位で第7節の首位攻防戦を迎えた。
粘り強く守って競り勝つ
福井は数少なくなった「Jクラブ空白県」の代表として地元の期待を背負っている。昨年は全国各地の地域リーグ覇者が競った全国地域チャンピオンズリーグで3位に食い込み、J3の1つ下の日本フットボールリーグ(JFL)昇格にあと一歩まで迫った。今年もJリーグ経験選手を多数そろえ、北信越リーグでは頭ひとつ抜けた存在といえる。

対する新庄もJFL昇格を目標に掲げ、昨季は過去最高の2位。今季はカターレ富山の草創期に活躍した「Mr.カターレ」こと朝日大輔・前鹿児島コーチを監督に据えて強化を図っている。5年ぶりに出場した天皇杯の1回戦ではJ3の岐阜と対戦。1-3で敗れたものの、パスサッカーで数多くのチャンスをつくり善戦した。しかし、福井との比較では選手個々の能力と経験値で分が悪い。9月21日の最終節にもアウェーで直接対決が組まれているが、地力上位の福井に先行されると追い抜くのは難しい。「負けられない」と背水の覚悟でこの一戦に臨んだ。