能登半島地震で4カ月間の休業を余儀なくされた呉羽ハイツ。今では客足が戻りつつあり、季節や時間によって移り変わる景色を楽しめる展望露天風呂が自慢だ。一方、復旧作業が追いついていない場所もあり、まるで「あの日」のまま時が止まったよう。そんな状況を励ますかのように、土砂崩れがあった崖のすぐそばで、ことしも桜の木がじっと春を待っている。
「山、崩れたぞー!」。昨年1月1日の午後4時10分ごろ、大きな声が聞こえた。「宿泊のチェックインを控えたお客さんが駐車場から慌てて入ってきて教えてくれた」と髙﨑誠二営業部長は振り返る。

能登半島地震の発生からこれまでを振り返る髙﨑営業部長
被害があったのは、250人を収容できる多目的ホール「雅」の北側の斜面。街灯や配管、桜の木まで土砂に流されてしまった。
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