長年、フリースクールの運営に携わってきた富山YMCAの総主事、上村香野子さんは、「不登校になった子どもたちも、十分に休めば自ら動き出す」と話します。では長期間、学校を離れていた子どもたちは、どこでどのようにして学んでいくのでしょうか。多様な学びの場と、そこから広がる進路について聞きました。

富山YMCA総主事の上村香野子さん
―子どもが動き出すまでの間、親たちにできることはありますか?
子どもは急に動き出すことがあります。その時のために、どんな学び方と進路があるのかを知っておくことは大切です。またさりげなく子どもに選択肢を示しておければいいですね。
私たちのフリースクールには、保護者だけでなく、学校の先生たちも見学に来られることが増え、学びの場の一つとして認められてきたことを感じています。
学ぶ方法、タイミングは人それぞれ
―特に中学生の親たちは、その後の進路が気になります。
高校の選択肢が広がっています。県立、私立ともに定時制・通信制の学校が増えました。昼間部定時制なら、日中に授業があります。週2日など通学するペースを自分で決められる学校もあります。受験も面接と作文だけという学校もあります。せっかく高校に進学しても、なじめなくて再び通えなくなって退学すると再び自信を失うこともあるので、子どもの気持ちに寄り添って本人のペースで学べる環境を選ぶことが大切です。

教室で生徒と話す上村さん
私たちのフリースクールに通う中学生も、多くは高校に進学しています。中には高校に行かない選択をする子どもたちもいますし、その後やっぱり進学したいと勉強を始め、高等学校卒業程度認定試験を経て、大学や専門学校に進むケースもあります。その子たちが社会で活躍している姿を見ていると、学ぶ方法はいろいろあって当たり前なのだと感じています。