今年からJ2で戦うカターレ富山は11日、富山市の県民会館で新体制発表会を開き、来場したサポーターに新シーズンに臨む意気込みを披露した。約800枚の有料の入場券が完売し、当日は開場を待つ長い列ができるなど期待の大きさがうかがえる。約1カ月前の昇格プレーオフ決勝を劇的な展開で制した熱気がまだ残っているかのようだ。直後の取材メモから小田切道治監督と、ベテラン3選手の言葉を書き起こした。
新体制発表会で登壇した左伴繁雄社長は、新シーズンに向けた営業状況を説明。「24年度の収益は過去最高の8億9500万円を見込む。J2昇格を機にスポンサー料の増額を要請した結果、新年度の収益は11億円まで増え、強化費には前年比1億2千万円増の4億8千万円を当てる。これは私が経営に携わった当時(08~15年)の湘南と同規模で、J1昇格を見据えられる数字だ。一桁順位に行くには上位を倒さなければならないが、昨年はルヴァンカップとリーグでJ1、J2、J3の優勝クラブに勝っている。スローガンに定めた『不屈』の精神でファイティングポーズをとっていきたい」と語った。
ファンクラブの入会数は前年同期の2倍のペースで、シーズンシートの販売も好調だという。11年ぶりのJ2復帰がクラブにもたらしたものは絶大。これも先のシーズンで長いリーグ戦を3位で終え、プレーオフを勝ち抜いた成果と言えるだろう。

育まれた一体感「素晴らしい集団だった」/小田切道治監督
――昇格プレーオフ決勝の松本戦は前半で0-2に。動揺があったのでは。
事前の想定よりも松本がボールを動かしてきた。守りの連動性を少し欠いて、ボランチからサイドチェンジされて失点。前回のワールドカップのデータによると、0-1からの勝率は45%で、0-2だとそれが限りなく低くなる。注意していたセットプレーでまんまと裏をかかれてしまって2点目を失い、「やばい」と思った。