災害に備え、避難所となる学校などの公共施設に回線をあらかじめ引いておく「特設公衆電話」の整備が県内で進んでいる。2024年10月までに14市町村が導入し、残る南砺市も今後に整備する予定だ。無料で一般回線よりも優先接続され、停電時も利用できるのが特徴。同じく災害時に優先的に通話できる一般型公衆電話が減る中、緊急時の通信手段としての役割が期待されている。

東日本大震災教訓に増加

 特設公衆電話は自治体が電話機、NTTが回線をそれぞれ整備する。普段は使われず、災害時に電話機をつなげて使う仕組みだ。通信が殺到した際の規制の対象外となっており、災害時でもかかりやすい。

特設公衆電話はボックスに格納されている通話線を避難所となった体育館などに引き込み、電話機とつなぐ形が一般的=富山市長岡小学校

 従来は災害発生を受けてから、避難所などに電話を特設するのが主流だった。しかし、東日本大震災の発生により、災害の規模が大きくなると交通の分断などから設置が難しくなることが浮き彫りとなった。

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