富山で捕獲されたイノシシやシカなどを指す 「とやまジビエ」のシーズンがやってきます。
ジビエの味を引き出すには、料理人の高い技術が必要です。
ゆったり味わいたい人は、イタリア料理店やレストランで、 特別な一皿を味わいましょう。(情報は取材時の内容です)
竈flamme炭三郎(かまどフラムたんざぶろう)(砺波市)
滋味深くまろやか イノシシの煮込み

ボアストロガノフ 1,600円、秋限定
イノシシのうまみとこくが際立つ。自社のウイスキーにも合う
日本酒やウイスキーの製造を手掛ける若鶴酒造(砺波市)の敷地内にあるレストラン。地元の食材や発酵調味料を生かした和洋食が味わえる。ジビエが旬を迎える時季には、ランチで県産イノシシを使ったストロガノフを提供。イノシシのだしが利いたソースにシェリー酒を加えて煮込み、まろやかで滋味深い味わいに仕上げた。サワークリームの爽やかな酸味がイノシシのうまみを際立たせている。「適切な技術で処理された、良質で癖の少ないイノシシを使っています」と料理長の浜向芳浩さん。「素材そのものの魅力が伝わる料理を提案していきたい」と力を込める。

料理長の浜向芳浩さん

イタリア料理 エルバッチャ(富山市)
絶妙な火入れで 肉のうまみを引き出す

鹿肉のロティ 3,000円
昼夜問わず注文できる一皿で、ワインとの相性も抜群。シカ肉は癖がなくさっぱりしているのでジビエ初心者にもおすすめ
今年25周年を迎えた「エルバッチャ」でオーナーシェフを務める松本吉信さんは、ジビエが日本で注目される前からその文化を料理に取り入れてきた。野菜や魚介と同様に、ジビエも地元のものを積極的に使う。猟師が工夫を凝らして仕留めた食材を大切に扱い、経験に裏打ちされた丁寧な調理で持ち味を生かす。
アラカルトメニューの「鹿肉のロティ」は、脂身が少なくパサつきがちなシカ肉に絶妙な火入れを施し、やわらかな食感を追求した。赤ワインソースを絡めると甘みと酸味が加わり、肉のうまみがより一層感じられる。パスタや煮込み料理と一緒にゆったり味わおう。

オーナーシェフの松本吉信さん

撮影:南部スタジオ