アメーバのように変幻自在にかたちを変える宇宙船。あるいは近未来の栄養食? この瞬間にフォーカスすると、SFチックな世界観を感じずにはいられない。潤いあふれるピカピカの銀色がもったりと型に流し込まれていく―。

銀色がもったりと流し込まれていく
8月下旬、高岡市デザイン・工芸センターの高岡鋳物の魅力を探究するイベントに参加した。高岡鋳物発祥の地・金屋町の取材を担当した時期があり、もともと高岡銅器に興味があった。どろどろに溶かした金属を鋳型に流し込んで器や像を造り、着色や研磨などの工程を経て繊細な作品をつくり出す。ダイナミックな鋳造の風景と、仕上がりのアンバランスさに引かれていたからだ。
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