新潟県の「佐渡島の金山」が世界文化遺産として登録されることが決まった。実は富山県にも江戸時代に「越中七金山(えっちゅうななかねやま)」と呼ばれた鉱山があり、魚津市山間部の松倉地区にはその中の三つがあった。金山なんて昔話かと思っていたら、つい最近も付近で金鉱石が見つかったと知って驚いた。松倉地区の坑道を巡るツアーに参加し、加賀藩の経済に大きな影響を与えたといわれる金山跡に足を踏み入れると、先人の苦労と作業の大変さが垣間見えた。

※1月24日のゴールドラッシュデーに合わせ、2024年7月31日公開の記事を再び紹介します。

坑道内の壁を観察する親子

 ツアーは、魚津埋没林博物館の「キンキラリ魚津の金山展」(7月19日~10月31日)に合わせて開催。金山展は、博物館が昨年4月から実施した鉱山の現地調査で金鉱石を発見したことから開かれた。佐藤真樹学芸員によると、鉱石を選別した後の不要な石が積んである「ズリ山」という昔のゴミ場が沢にあり、その中から見つかったという。金といえば長方形の重たい金塊を想像したが、実際は最大のもので幅2ミリほど。金鉱石の重さも普通の石より軽いそうだ。

残り1509文字(全文:1996文字)