3月3日は「耳の日」。新生児の聴覚に異常がないかを調べるスクリーニング検査について、富山県内の全15市町村が2023年度から費用の公費助成で足並みをそろえた。検査は新生児が99%受診し、早期治療につながる。これまでは市町村で差があり、富山県内は公費助成が遅れていた。

検査時に新生児の両耳に付けるイヤホン

 スクリーニング検査は新生児が寝ている間に専用のイヤホンを耳に取り付け、音への反応を調べる。検査時間は平均で5~6分、早ければ2~3分で終わる。

1000人に1~2人

 先天性の難聴は、1000人のうち1~2人に現れるとされ、先天性疾患の中で最も多い。富山県によると、県内ではほとんどの新生児がおおむね生後3日以内に受検し、2021年度の受検率は99・8%だった。

高額な検査機器(左)に対し、県が助成する制度も

 検査は公的医療保険適用外の「自由診療」となり、費用の3000~8000円は自己負担となる。県によると、2018年度の時点で、市町村による助成がないのは全国で富山と福井だけだった。子育て環境の充実を目指す市町村が2020年以降、公費助成を進めてきた。

南砺、上市、舟橋は全額

 公費助成は検査費用を市町村が全額または一部を負担する仕組み。例えば費用が6000円の場合、富山市など9市町は

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