おにぎりと言えば、手軽に食べられてお弁当にも最適な一品。コンビニにはいろいろな種類があって選ぶのも楽しいですよね。東京のメガバンクを辞めて、富山に移住した中谷なかや幸葉こうようです。

かっぽう着姿でおにぎりを握る藤田さん

 古民家ワクワクは、富山県で「ワクワクしている人」の活動を紹介し、仲間を集めたいという思いから始まりました。連載は早くも6回目です。今回、取り上げる「ワクワクビト」(今、名付けました)は、おにぎりに魅せられた大学生です。

きっかけはアグリスポーツ

 かっぽう着が似合う男性の名前は藤田拓蔵さん(20)。富山県立大学の2年生です。何でも「おにぎりで富山を盛り上げたい」とのこと。おにぎりに夢中になったきっかけは、2023年9月に初めて開催したアグリスポーツでした。この連載の2回目でも紹介した畑で50メートルを走る農業とスポーツを組み合わせた新しい取り組みです。

 藤田さんはアグリスポーツの当初プロジェクトから関わり、「農業×スポーツ」の視点で社会課題の解決に取り組んでいる1人です。

畑を走ったアグリスポーツ

 畑を駆け回り、おなかをすかせた子どもたちに何か食べさせてあげたいと思った時、「それだったら僕、おにぎり握りますよ」と手を挙げてくれたのが藤田さんでした。

 アグリスポーツは、農業の中でも米をテーマにしているので、おにぎりとの相性はいいのです。実際に参加者からは「米っておいしい」「アグリスポーツにまた参加したい」という声が多数寄せられました。

アグリスポーツを進める西村顕志さん(左)と石井湧人さん

 この経験を元に、おにぎりに目覚めた藤田さん。「おにぎりを通して子どもたちの笑顔が見たい」と決意し「おにぎりマスター」への道を歩み始めます。

シンプルながら奥が深い塩おにぎり

 まずは塩おにぎりを極めます。シンプルなだけに奥が深く、東京のとある店で食べた味に感動したそうです。「ビビッと来たんです。

残り950文字(全文:1919文字)