とろみは熱いんです。飲食店検索サイトによると、ここ1年であんやチーズ、とろろといったトロッとした食材を使う飲食店が1.5倍に増えたそう。メインの肉や魚に絡むだしが効いたあんや濃厚なソースは、それ自体が主役。熱もあなたの心も逃しません。寒い冬はとろみでポカポカ乗り切りましょう。
中国家常菜 竈(かまど、魚津市)
和風だしとカニのうまみ絡み合う
空気を含ませながらふんわり仕上げた卵の上に、県産ベニズワイガニをぜいたくにのせた天津飯。丁寧に火を通したしょうゆベースのあんをかけると、昆布とカツオからとっただしの香りが厨房の外まで広がる。口に入れるとカニの身がやわらかくほぐれ、あんのうまみとまろやかに絡み合う。

「贅沢な天津飯」(2,000円)数量限定。あんはあっさりとした後味で、カニのうまみもしっかり感じられる。ベニズワイガニ禁漁時期の6〜8月は提供を休止
「女性や年配の方もぺろっと食べていかれますよ」と店主の長谷川哲也さん。なじみ深い中華のメニューに和風だしや無添加の調味料を取り入れ、食材のおいしさを生かした料理を振る舞う。食べ進めても重さを感じず、最後の一口までじっくり味わいたくなる逸品ぞろいだ。

◎とろりPOINT
鍋を振って満遍なく火を通すことでとろみが長持ちする
鍋を振って満遍なく火を通すことでとろみが長持ちする

他のとろみメニュー
「贅沢な酸辣湯麺」(1,700円)2月末までの限定メニュー。長芋のとろろを入れたスープにベニズワイガニのむき身がよく絡む
「贅沢な酸辣湯麺」(1,700円)2月末までの限定メニュー。長芋のとろろを入れたスープにベニズワイガニのむき身がよく絡む

本格手打ち蕎麦 福籠(ふくろう、富山市)
とろろと卵をふんわりまとう
ヤマイモのとろろとふんわり泡立てた卵白がそばを覆う「淡雪(あわゆき)」。生クリームが入っていると間違われることもあるほどクリーミーな味わいで、そばの風味もしっかり感じられる。とろみをまとった麺の滑らかな喉越しが心地よい。

「淡雪」(1,300円)冷、温どちらも対応。上にかかった卵黄を麺に絡めるとよりまろやかな味わいに
「とろろと卵を混ぜて作るとろろ焼きからアイデアが浮かびました」と店主の大田奈保子さん。八尾産在来種のそばの香りや食感を生かし、独創的なメニューを作り出す。毎朝手打ちするそばはもっちりと歯切れが良く、とろろと卵白を絡めることでそば本来の甘みが引き立つ。メニューによって表情を変えるそばの魅力を楽しみたい。

他のとろみメニュー
「発酵御膳」(2,000円、内容は月替わり)店で仕込む発酵調味料を使った平日限定のメニュー。ユズの爽やかな香りが冬にぴったりの「冬瓜の柚子塩麹あんかけ(写真右上)」は1月中旬まで提供
「発酵御膳」(2,000円、内容は月替わり)店で仕込む発酵調味料を使った平日限定のメニュー。ユズの爽やかな香りが冬にぴったりの「冬瓜の柚子塩麹あんかけ(写真右上)」は1月中旬まで提供

店主の大田奈保子さん
「風味を保つために、寒い日も水で手を冷やしてからそばを打っています」
「風味を保つために、寒い日も水で手を冷やしてからそばを打っています」
