プロ野球ドラフト会議で阪神タイガースから育成1位指名された富山GRNサンダーバーズ投手の松原快(黒部市出身、高朋高出)は11月7日、球団から指名あいさつを受けた。松原は「連覇に貢献できる投手になりたい」と、来シーズン中の支配下登録選手入りに意欲的だ。高校時代は控え投手で、プロになる未来を思い描くには至っていない。そんな彼の背中を押したのは、今は亡き恩師だった。

インタビューに答える松原快=高岡市内

「育成の星」西野を見た

 宇奈月小3年時に野球を始めた。野球との出合いは、近所の「お兄さん」の応援から始まっている。松原が小1だった年、近くに住む桐大地が富山第一高に進学し、野球部に入った。桐を慕っていた松原は、公式戦のみならず練習試合でも、応援したくて彼についていったという。

 桐は捕手のレギュラーに就き、高3の県春季大会で準優勝という好成績を挙げている。同校初の甲子園出場が期待された2008年夏の県大会、富山第一高は初戦の2回戦で新湊高に敗れた。同大会で準優勝する新湊高で、エースとして君臨したのが現千葉ロッテマリーンズの西野勇士(当時3年)だ。

松原が目標とする西野は新湊高のエースだった=2008年

 松原はこの一戦を球場の応援席で見ていた。この年、プロ野球ドラフト会議で西野は千葉ロッテから育成5位指名を受け、

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