SARAMIさん=富山市出身=は修斗スーパーアトム級チャンピオン。攻撃の規制を最大限取っ払った総合格闘技の選手として、パンチもキックも投げ技も全て可能なダイナミックな試合に挑んでいる。当面の目標は年末に開かれる総合格闘技のイベント「RIZIN」に出場し、勝利すること。これまでを振り返り、意気込みを語った。(聞き手・田尻秀幸、撮影・鳥飼祥恵)

——トレーニング終わったばかりのところすいません。

 今はスッピンですけど、普段はちゃんと化粧していますよ(笑)。なるべく格闘家だって思われたくないので。

 

——何が嫌なんですか。

 他の人から格闘家ということを前提にして、いろいろ言われるのが面倒くさいんですよ(笑)。「体力がすごいんですか」とか「重いものを持ち上げられるの」とか。

 でも、実際に試合に関わることならそんなこと意識もしません。体重測定ではかわいい水着を着る人もいますが、私はスパッツです。水着姿でアピールする必要はない。そもそもこの競技にかわいらしさは必要ない。試合で戦うことで、勝つことで魅せればいいんですから。

——もともとは柔道に取り組んでいたそうですね。

 柔道は3歳からやっていました。父がスポーツ少年団の指導者だったんです。だから私もやるのが当然という環境。段々と嫌いになっていくんですけどね。

 

——それはどうして。

 中高は強豪校で、同級生に金メダリストの田知本遥さんがいました。当然絶対に勝たないといけないというプレッシャーがあった。でも、私は全国大会につながる県大会の決勝のような試合で負けてしまう。全国が関係ないなら勝てるのに。大切な大会に限って2位に終わる。甘えなのか、プレッシャーなのか。とにかく私には何かが足りなかった。高校の終盤から「私は柔道で
はないんじゃないか」と思い始めていました。

——総合格闘技にはどのように出会ったんですか。

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