【質問】子どもの自己肯定感が低いです。「あなたはそのままでいいよ」と伝えてはいますが、親との間に壁をつくっていて聞き入れてくれません。
(画像提供:PIXTA)

【回答】「あなたはそのままでいいよ」という言葉の本質は、「あなたが生きていてくれて、私はうれしい」ということです。「私」がうれしいのです。しかも口先だけでなく、そう感じていることが大切です。しっかりと実感できていたら、口にしなくても伝わるでしょう。

そのように実感できていないのに、「そのままでいいよ」と言ってさえおけば、なんかいいことがあるらしいという感じで、ただ口先だけで伝えるのではなんの意味もないということは、想像できるでしょう。むしろ逆効果になるかもしれません。

「私はあなたがいるだけで幸せ」を態度で伝える

「そのままでいいよ」という言葉は、「あなたはこうしたほうがいい」「あなたはこうなったほうがいい」「あなたはそのままでいい」というような役割を割り振っているような言い方に聞こえる場合もありますね。もしかしたら子どもは、変わりたいと思っているのに「そのままでいなさい」と言われているように感じることもあるかもしれません。

このように書くと「また面倒なことを言ってるな。いちいちそんなこと考えられないよ。じゃあ、なんと言ったらいいんだよ」という声が、いまにも聞こえてきそうです。

本質は、なにを言うか、ではないのです。子どもとの暮らしの中で、親が子どもの存在をどう受け止めているか、です。「親は自分がいるだけでうれしいと思ってくれているんだ」と子どもが感じられることが、一番確かなメッセージになります。では、具体的にそれはどのようにして伝わるのか。

それは、親が機嫌よくしていることです。親が家の中の時間を、人生を楽しんでいる姿を見せる。そうすることで、子どもは「親は自分が生きていることをうれしく思っている」、「自分はこのままでいい」ということを心と体で理解していきます。

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