電子マネーが身近な存在になり、「貯蓄より投資」ともいわれる現代。自分たちの幼い頃とは異なる状況の中で「お金に興味を持ち始めた子どもたちに何をどう教えたらいいの?」と戸惑うパパ、ママも多いのでは?
そんな疑問にヒントをくれる新書「投資家がパパとママに伝えたい たいせつなお金のはなし」がこのほど刊行されました。著者は富山市出身の投資家、藤野英人さん。子どもたちと会話を交わす中で、お金の本質について共に考え、学んでいく内容になっています。

全3章の第1章は、藤野さんが3人の小学生にインタビューをした「子どもの目線から学ぼう!」。「社長は一番えらいのに、誰からお給料をもらっているの?」「お金がなくて困っている人がたくさんいるのに、どうして作って渡してあげないの?」など、子どもたちの素朴な疑問を通して、お金や経済、仕事の本質に迫ります。お年玉の一部でジュニアNISAを始めるなど、各家庭でのマネー教育の実践例や、お金について親子で話し合うための問いかけ集なども参考になります。
第2~3章は、「元素カルタ」などの学習教材を商品化し、昨年2月に小学6年生で起業した株式会社polarewon(ポラレウォン)社長のレウォンさんや、海外でのインターンシップなどを経て、今春社会人になる自身の娘さんとの対談を掲載。お金や仕事に対する価値観を引き出すとともに、親としての向き合い方なども紹介しています。
「子どもたちとの対話は、僕ら大人が置き忘れてきた感覚を呼び起こすヒントに満ち溢れています。(中略)最も身近で最も多くを教えてくれる『師』、それがわが子なのかもしれません」とつづる藤野さん。大人にとっても、さまざまな気付きのある一冊です。
星海社新書、192ページ、1320円。

藤野 英人(ふじの・ひでと)レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長。1966年富山市生まれ、90年早稲田大学法学部卒。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークス創業。「ひふみ」シリーズ最高投資責任者。投資啓発活動にも注力し、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師などを務める。北日本新聞社の総合情報サイト「webunプラス」内で連載「藤野英人 未来をつくる『投資』の話」を3/24から開始予定。同社の若手育成事業「平成広徳塾」講師も務める。