富山の自然や文化がモチーフ
富山もようは、地元の自然や文化を題材にしたテキスタイルデザイン。地域の良さを県内外の人に知ってもらおうと企画されました。国内外で活躍するデザイナーの鈴木マサルさん(東京)が一貫して手掛けています。
鉄道で地域を明るく
コラボは「鉄道を使って地域に明るい話題を提供したい」と考えた富山地鉄が企画しました。ラッピングの柄に採用したRAICHOUは、「TATEYAMA(立山)」や「SHIROEBI(白エビ)」など、13種類ある柄の一つ。富山の田園風景に映え、山々のイメージにつながることからに選ばれました。
2両1編成で、路線やダイヤを固定せず、富山地鉄の本線、立山線、不二越上滝線の全線を走ります。運行予定は3年間。富山もようをあしらった記念切符を発売し、2月にはラッピング電車に乗って行く立山や宇奈月温泉を訪ねるツアーも企画しています。
鉄道線で初のラッピング車両
運行開始の当日は、電鉄富山駅のホームで記念式典も開かれました。富山地鉄の村井義治鉄軌道部長が「路面電車や路線バスのラッピングは過去にあるが、鉄道線では初めて。多くの人にめでていただきたい」とあいさつ。運行に合わせて来県した鈴木さん(東京)が「富山もようは、ここに暮らす人たちに地元の良さを再確認してもらうきっかけを作ろうと始めたプロジェクト。生活の足となっている電車にラッピングされて感無量」と話しました。
富山地鉄の車両基地そばにある富山市稲荷元町保育所の園児や立山町のマスコットキャラクター「らいじぃ」が加わり、「出発進行!」の掛け声でテープカット。運行のスタートをお祝いしました。
沿線の各駅では利用客が、ホームに鮮やかなデザインの電車が入ってくると驚いた表情を浮かべ、スマートフォンで撮影する姿があちこちで見られました。鉄道ファンからは「雪景色を走る赤い列車の姿をカメラに収めたい」「他の柄でもぜひラッピング電車を走らせてほしい」といった声が上がっていました。
富山地鉄のアテンダントによると、運行は全くランダムとのこと。通りすがりに電車を見ることができればラッキーかもしれませんね。SNSでも沿線住民らが「見ることができた!」「赤い列車がかわいい」などのコメントとともにスマホで撮った電車の写真を次々とアップしています。