射水市新湊地域出身の主人公が登場するTBS系の火曜ドラマ「未来のムスコ」が放送されている。新湊出身の姉弟お笑いコンビ「雷鳥」が方言監修を務め、登場人物のせりふまわしはネーティブスピーカーが聞いても満足のいく仕上がりだ。魅力あふれる新湊の言葉を深掘りしてみた。

新湊で「まっつん」といえば、新湊曳山まつり。夜の巡行に出発する提灯山=2025年10月1日、クロスベイ新湊

「やよ」「ちゃ」こだわりの語尾

 「なんで、じゃないちゃ」「分からんちゃどういうことけ」。ドラマ第5話では、新湊から出てきた母親が志田未来さん演じる娘に詰め寄るシーンが描かれていた。これから配信で見るという人のために詳細は伏せる。

 先のせりふは、親が子どもを叱るときの定番のフレーズといっていい。子どもが繰り出す「知らん、分からん」の言い逃れを許さない追及のせりふだ。

 このシーンでは他にも、「ホテル」という単語を、神野三鈴さん演じる新湊の母親と志田さんがあえて異なるアクセントで発音するという細やかな芸も見せてくれた。

 方言監修を担う雷鳥の2人が最もこだわっているのが「新湊らしさ」のリアリティーだ。「自分たちや周りの新湊の人たちが実際にしゃべっている言葉になっているか」。例えば、語尾は年齢や性別、環境、そのときの感情によって繊細に変化する。「や」「やよ」「やにけ」「ちゃ」「なが」。語尾の最後の1文字までこだわり抜き、視聴者が「新湊の人やにけ!」「富山の人や!」と分かるせりふに仕上げた。半音違うだけで印象が変わってしまうため、俳優陣に渡す方言テープの収録でもイントネーションには十分気を付けているという。

 雷鳥のお姉ちゃんは「これまで積み重ねてきた家族や新湊の皆さんとの会話や思い出が方言監修を支えてくれています」と語る。

ドラマ「未来のムスコ」で方言監修を務める射水市新湊地域出身の姉弟お笑いコンビ「雷鳥」の2人。お姉ちゃん(左)と、ゆういちさん(本人提供)

海での言葉が陸にも

 「早口で、短く、省略が多いですね」。新湊の言葉について、射水市新湊博物館の松山充宏学芸係長がその特徴を分析する。

 なぜそうなるのか。

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