スイーツを深堀りし、その魅力に迫ります。(情報は取材時の内容です)
きせつのさがしもの 秋色(9個入り 3780円、数量限定)
11月末までの予約販売。季節ごとに「春色」、「夏色」などがある

繊細なカットが施された、切り子ガラスのようなこの和菓子は、東京のガラス作家・山本真衣さんの作品「Breeze」(ブリーズ)を再現した生琥珀糖(こはくとう)だ。九つの色味に9種のカクテル。それぞれ味も香りも違う。リキュールやワインの香りが華やかな、甘いだけではない大人の味わいが特徴だ。

継ぎ目なしで立体的に作ること、精緻な模様を刻むこと。技術的な困難は多かった。「見ただけで心が高揚するようなものを」。その一心で、16代目の渡邉克明さんは試行錯誤を重ね、本物のガラスと見紛う姿に仕上げた。きせつのさがしものは、今年「全国菓子大博覧会」で最高賞・名誉総裁賞を受賞。干菓子「T五」(ティーご)に続く快挙となった。
時がたつと、透明な琥珀糖はやがてすりガラスのように変化する。そのはかなさも含めて愛でたい逸品だ。