この夏、仲の良い友人たちとひさしぶりに会うことができた。環境の変化やコロナ禍も相まって疎遠になっていたが、会えば昔のように会話が弾み、楽しい時間を過ごすことができた。

 「ウェンズデー」は、風変りで特殊な能力をもつ一家「アダムス・ファミリー」の長女・ウェンズデーが、転校した学園で起こる連続殺人事件の真相を解き明かしていくダークファンタジー。

イラスト:kumiko yamaguchi

 ひねくれ者で過激な発言や態度のウェンズデー。将来を心配した母親は、自身の母校に彼女を転校させる。学園には人狼族や吸血鬼など人間社会で「のけ者」にされた種族が集い、学びの日々を送っていた。ウェンズデーの編入以前から学園周辺で不審な連続殺人事件が発生し、その疑いは生徒たちに向けられる。ウェンズデーは、少しずつ生徒たちになじみ、皆の力を借りて犯人突き止めに動き出す。

 黒髪で白と黒の服しか身に着けないウェンズデーとは対照的な、髪も服もカラフルなイーニッドが寮のルームメイトになった。明るい性格でSNSが生きがいの彼女に、ウェンズデーは「SNSは意味のない承認のために魂を吸い取られる」と、刺(とげ)のある態度を取ってしまう。次第に、イーニッドが変身できない人狼であることにコンプレックスを持っていることや両親と不仲であることなど、自分との共通点を見つけ、距離を縮めていく。イーニッドの「正反対だけどうまくいく。ちょっと変わった友情だよ」という言葉は、ウェンズデーそのままの在り方を受け入れている。

 私の友人たちも、性格や見た目はバラバラだがそれを受け入れている。時に厳しいアドバイスをもらうこともあるが、私を尊重し決して「変わってほしい」とは言わない。

 時に風変りな人に見られる私としては、その気持ちがとても嬉しい。

 とはいえ、私は決してウェンズデーのように孤高を極めているわけではない。その理由は、第4話で学校主催のダンスパーティーに参加したウェンズデーが躍るシーンを観てもらえればきっとわかるはずだ。

DJ CHIGON 富山市在住。ロックDJパーティ「LOVEBUZZ」のDJ。インディーロックを中心にプレイしている。