富山県の「未来のDX(デジタルトランスフォーメーション)人材育成プログラム」に参加している県内の中学・高校生14人が22日、企業見学バスツアーで射水市寺塚原の庄東ノーサンを訪れ、スプラウト(発芽野菜)の栽培や管理、出荷工程で導入されているDX技術や1次産業でDXを推進する必要性に理解を深めた。
未来のDX人材育成を目的に、今月から2026年2月まで行う中高生プログラミングスクールの一環。庄東ノーサンのDX担当者で県立大大学院生の平野碧生(あおい)さんが講師を務めた。
平野さんと、同社を事業承継した親会社シテンの中谷幸葉(こうよう)社長が、水耕栽培しているスプラウトの栽培から出荷までの過程を説明した。ハウス内の温度や湿度、日射量、根元の水分量が成長にどんな影響を与えるかを、カメラを含む六つのセンサーを内蔵した装置で5分置きにデータを集めていることも紹介。データの分析を進め栽培の効率化につなげるほか、以前は電話で受けていた注文をオンラインで完結できるようにしたこともPRした。
中谷社長は「1次産業はテクノロジーの活用が遅れ、事業承継前の43年間の情報も残っていなかった。プログラミングに知見がある皆さんにぜひ農業に携わってほしい」と呼びかけた。