池に落ちた高齢の女性を救助した功労をたたえ、富山県の射水署は10日、射水市青井谷、団体職員、宿屋(しゅくや)貴明さん(33)に署長感謝状を贈った。

 消防団員でもある宿屋さんは6月28日午後3時40分ごろ、行方が分からなくなっていた近所の女性(75)を捜していたところ、地元の馬洗(うまあらい)池に転落したのを目撃した別の女性から知らされた。宿屋さんは高さ数メートルの堤防を下りて池に入り、水深約1・3メートルの地点で後頭部だけが水面に出ていた女性を救助した。女性は病院に搬送されたが、けがはなく、命に別条はないという。

 同署で浅野健一署長が宿屋さんに感謝状を贈り、「勇気ある行動で感謝したい」とお礼を述べた。

 宿屋さんによると、女性は救助される前にも行方不明になり、射水消防署と消防団の捜索で発見され帰宅。再び行方が分からなくなったことを知り、個人で捜索していた。感謝状贈呈式の後、宿屋さんは現場で当時の状況を振り返り、「とっさのことで自分が池に入るまでの記憶がなく、気付いたら女性を抱きかかえていた。小さいころから顔見知りの女性で、助けられて良かった」と話した。