富山県指定無形民俗文化財で、400年以上の歴史がある富山県射水市本町の西宮神社(西宮雅人宮司)の海上渡御(とぎょ)祭「ボンボコ祭(まつり)」が19日、18年ぶりに新湊沖などで営まれた。能登半島地震の影響で昨季、ベニズワイガニやシロエビが記録的不漁に見舞われたことから実施。海上で神事や「ボンボコ舞」を繰り広げ、海の安全と豊漁を祈願した。
1580(天正8)年に始まった同祭は、不漁や海難事故が起きた翌年の4月19日に営まれる。前回は2007年に、ホタルイカ漁の不振や異常気象を受けて行った。
社殿での神事の後、新湊漁港に移動し、ご神体の「えびす像」を乗せたご座船と大漁旗をなびかせた漁船の計14隻が出港。海老江沖、伏木沖、新湊沖の漁場を回り、祈とう木を沈めた。
新湊沖では、魚や野菜などの供物を海にささげた。ボンボコ舞の奉納では、太鼓や笛、ほら貝の音色が響く中、舞人(まいびと)が釣りざおに見立てた弓で釣りの動きを表現するなどして勇壮に舞った。
舞人を務めたシロエビ漁師の縄井雅英さん(29)は「魚が多く取れ、漁でけがや事故が起きないようにとの願いを込めた」と語った。
新湊漁協の塩谷俊之組合長(67)は「海底環境が落ち着き、豊漁となることを期待したい」と願った。