富山県高岡市の伝統工芸産業技術保持者でつくる高岡巧美(たくみ)会(島谷粂一会長)の「技体験・匠工房見学ツアー」が22日、市内2カ所で開かれた。県内の参加者8人が鋳物体験や工房見学を通じて伝統工芸の魅力に触れた。

 中村美術工芸(内免)ではスズの小皿作りを体験。中村喜久雄代表に教わりながら、鋳型に植物や子どものイラスト、オリジナルの模様などを彫った。参加者は「仕上がりを想像しながら彫り進めるのが楽しい」などと笑顔で話した。型に溶かしたスズを流し込んで完成させた。

 武蔵川工房(地子木町)では武蔵川義則代表から、薄い貝を使う螺鈿(らでん)の「青貝塗」や、漆に砥粉(とのこ)を混ぜて立体的にみせる「錆絵(さびえ)」の技法について説明を受けた。製造現場やショールームも見て回った。

 高岡銅器と漆器への理解を深めてもらおうと毎年開いている。