本紙文化面の連載企画「たてものに会いにいく」は、建物の専門家である建築家をナビゲーターとして県内の建造物を巡り、魅力に迫っている。webunプラスでは、ナビゲーター自身の建築に対する姿勢など、紙面で書き切れないエピソードを紹介する。第13回は砺波市に「大工のほしや一級建築士事務所」を構える星屋吉宏さん(38)。紙面では高岡市横田町の有礒正(ありそしょう)八幡宮を紹介してくれた。

事務所の一角でほほ笑む星屋さん=砺波市庄川町青島
星屋さんは岐阜市出身。父も兄も大工で、自宅内の工場(こうば)で作業する父の姿を見て育つうちに、自然と同じ道を目指していた。
岐阜工業高専建築学科を卒業後、20歳で白井大工(砺波市)に入った。宮大工を目指す人は大卒が多く「電話口で(入門を)断られることもよくあった」。社寺を専門に手がける白井大工は、2002年に氷見市で五重塔を建てたことが注目され、地方の工務店でありながら全国の若者が修業に来ていたという。
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