2024年1月1日。能登半島地震は多くの人の暮らしを壊しました。富山県内では氷見・高岡が大きく被災しました。でも、そこには震災に負けない人たちがいます。立ち上がろうとする人たちがいます。そんな人たちに会いに行きませんか。変わらずおいしいご飯を食べに行きませんか。ゼロニイは氷見・高岡が超好きです。(情報は取材時の内容です)

スウプはやし(氷見市)

氷見の野菜たっぷり 心と体をいたわるスープ

「世界のスウプ」の一例(500円〜)、「自然栽培米おにぎり」(200円) スープの内容は週替わりで、3種類から選べる。写真は「韓国風チゲ鍋」。もっちりとした食感の玄米おにぎりはスープによく合う

 氷見の中央町商店街にある、テイクアウト専門のスープ店。店主の林美湖さんは、氷見のおいしい食べ物と景観に心を引かれて東京から移住し、2021年に店を開いた。肥料や農薬を使わずに育った自然栽培の野菜を中心に、地元食材がたっぷり入ったスープを振る舞う。食材と水とシンプルな調味料だけで作っており、栄養豊富で体に優しい。

「冷凍スウプ」 (1個2人前 1,000円) 食材と牛乳、塩だけで作った冷凍のポタージュスープ。店頭とオンラインストアで販売している。温めてすぐに食べられるので、忙しい朝や疲れたときにぴったり

 「被災地支援でいらっしゃった方に温かいスープをお出ししたんです。カップラーメンしか食べられない状況が続いていたそうで、すごく喜んでくださいました」と林さん。野菜のうまみが詰まったスープは、身も心もほっと癒やしてくれる。

店主の林美湖さん 「こんなときだからこそ、 体に良いものを食べて 元気になってもらいたいです」
一時断水したが、今は復旧。喫茶店がある2階部分をコワーキングスペースとして提供している

おべんとうカフェ にじのこや(高岡市)

多彩なおかず どどんと

「勝興寺の七不思議弁当」(1,000円) 寺に伝わる「七不思議」にちなんで7種類のおかずをのせる

 多彩なおかずを、弁当にどどんと盛り付ける。土・日曜、祝日限定の「勝興寺の七不思議弁当」や、全営業日で提供する「えらべる2種のおべんとう」のどちらにも共通する。「勝興寺の七不思議弁当」には、鶏の唐揚げやひよこ豆のコロッケ、牛肉のしぐれ煮など7種類のおかずがそろい、どれから食べようか迷ってしまいそうだ。

「えらべる2種のおべんとう」(800円) メインのおかずを6種類ほどの中から2種類選べる。写真は一例で、鶏の唐揚げ(右上)とひよこ豆のコロッケ(同下)。副菜も多種入る

 国宝勝興寺近くに店を構える店主・牧野友香さんのモットーは、地元・伏木の商店の食材を使うこと。地震の翌日から3日間、有志とともに地区内で炊き出しを行い、地域のために汗をかいた。「自分にできることをしようと思っています」と語る。

店主の牧野友香さん 「SNSで炊き出し用の食材を求めたら各地からいただきました! 善意に感謝しています」
店に大きな被害はなし。石川県からの2次避難者に弁当を無償で提供し続けている

氷見牛ハンバーグとおやきの店 古粋(こいき)(氷見市)

A5ランク氷見牛使用  ふわじゅわハンバーグ

「氷見牛ハンバーグ150g&ビーフシチューセット」(本来3,500円だが、被災者と復旧・復興活動に携わる人は1,750円) ビーフシチューは氷見牛の肉汁をプラスし、深みのある味わい。前菜プレートとプチデザートは日替わり

 牛肉を焼いたり煮込んだりした、いい匂いが店内に広がっている。この店のこだわりはA5ランクの氷見牛。看板メニューであるハンバーグのメインの肉は、もちろん氷見牛だ。ハンバーグはふわふわな仕上がりで、かみしめた時に肉汁がじゅわっと出てきてたまらない。

「氷見おやき 肉の長井さんちのA5ランクの氷見牛じゃがいも」(手前、1個400円)「同 福来魚なす味噌」(1個250円) 石和さんは長野県出身。出身地の特産おやきに氷見の食材を掛け合わせた

 150gのハンバーグにビーフシチュー、9品の前菜プレート、ご飯、プチデザートを付けた特別メニューを用意した。被災者や復旧・復興活動に携わる人に半額で提供する。「支援してくださる方に感謝しないと、と思ってメニューを設けました」と代表の石和(いさわ)良さん。「氷見ににぎわいを取り戻したい」という思いも込めている。

代表の石和良さん 「『#復旧支援ありがとう』というハッシュタグを作りました。支援してくださる皆さんに食事で力をつけてもらいたいです」
断水で一時休業したが、復旧し通常営業に戻った

撮影:南部スタジオ